撮影日記


2023年09月30日(土) 天気:晴のち小雨

Kodak DCS Pro 14nの充電器が寿命を迎えたか

ニコンFマウントの交換レンズを使えるデジタル一眼レフカメラで,はじめてライカ判サイズの撮像素子を搭載した機種は,ニコンからではなくコダックから発売された。2003年に発売された,Kodak DCS Pro 14nという機種である。世界ではじめて市販されたデジタル一眼レフカメラであるとされる,Kodak DCS 100の発売からは10年を経ており,1999年に発売されたNikon D1のころにはデジタル一眼レフカメラという形態が完成されたと考えることができる。しかしライカ判サイズの撮像素子をもつデジタル一眼レフカメラとしては,2002年5月に京セラから発売されたCONTAX N Digital,2002年11月にキヤノンから発売されたCanon EOS-1Dsにつづいて,ようやく3機種目ということになる。記録画素数は,当時としてはたいへん多い1350万画素であるが,そのほかの細かい性能面,使い勝手の面なども含めると,まだまだ発展途上の時代であるといえる。
 Kodak DCS Pro 14nが発展途上とされる内容としては,まず,起動にものすごく時間がかかるというとてつもなく大きな問題がある。電源スイッチをONにしてから,実際にレリーズがおこなえるようになるまで,10数秒以上の時間が必要である。また,ほかには感度の問題がある。Kodak DCS Pro 14n,基本になる感度はISO 80相当で,最高感度はISO 400相当となっている(最高でISO 800相当まで設定できるが,1350万画素での記録に対応しているのはISO 400相当までである)。高感度撮影時や長時間露光時のノイズを低減する設定なども用意されているが,のちの機種にくらべれば見劣りを感じる点である。また,画面の左右で色が微妙に偏っている傾向もある。ただ,そのような問題点がありながらも,このカメラKodak DCS Pro 14nで撮影し,専用のソフトウェアKodak PhotoDeskでJPEG化処理をした画像の色あいには,好ましいものを感じる。強いて言うならば,それまでに使い慣れてきた,フィルムで撮影した結果に近い雰囲気を感じたのかもしれない。このカメラについては,充電器とのセットを2つ入手している(2016年8月26日の日記を参照)。このうち,調子がよさそうなほうをもっぱら使用し,もう1台は予備として確保している。いまとなっては古い機種であるが,今後もできるだけ長く使っていきたいと考えている。

カメラについては,撮像素子に付着したゴミがあまりにも取れなくなったために「カメラのキタムラ」でクリーニングをしてもらったことがある(2020年2月22日の日記を参照)くらいで,とくに問題なく使い続けることができている。バッテリーはどうしても劣化してしまうが,バッテリーパックを殻割して中身を入れ替えて更新することで,ふたたび使えるようにしてきた(2017年5月16日の日記を参照)。しかし残念なことに,1年前に充電器が故障したようで,エラーを示すランプが点滅するだけになってしまった。そこで,もう1台の充電器を使うようにしていたのだが,こちらも同じようにエラーを示すランプが点滅するだけになってしまったのである。このような電源関係の装置には,多くの電解コンデンサが使われている。電解コンデンサには,どうしても寿命というものがある。2台の充電器が続けて故障したのは,電解コンデンサの寿命が尽きたことが原因である可能性がたいへん高いと考えられる。

充電器を開いてみたところ,空間的にはそれなりにゆとりがありそうなので,地道に電解コンデンサを交換していくこともできそうである。広島市内で電解コンデンサを売っていそうなお店としては,西区商工センターの松本無線パーツがある。しかし,そのあたりは普段の行動範囲ではなく,日曜日や祝日はお店がお休みである。以前は個人的に訪れやすい銀山町にあったし,市内中心部である紙屋町のデオデオ(現・エディオン)でもパーツが売られていた。そのころの状況にくらべると,パーツを購入するのがとてもおっくうに感じるようになっているのである。
 電解コンデンサを交換するような本格的な修理に挑むのは先送りにして,とりあえずバッテリーパックに充電できるようにしてみることにする。充電器は,バッテリーパックのコネクタとしてのみ使うようにして,Canon EOS 10Dの充電器で充電できるようにしてみた。

以前に,FUJIX DS-505Aのバッテリーパックをリチウムポリマー電池化したときに,Canon EOS 10Dのバッテリーパックの中身を抜いたものを,充電器と接続するためのアダプタとして利用した(2018年5月30日の日記を参照)。このアダプタを利用して,Canon EOS 10Dの充電器とKodak DCS Pro 14nの充電器を単純に接続したものである。
 これでもいちおう充電はできるようなので,電解コンデンサの交換に挑むまでは,これで乗り切ってみることにしよう。もし,電解コンデンサの交換がうまくいかなくても,なんとか使い続けられそうであるし。


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