撮影日記


2023年09月03日(日) 天気:晴

ニコンのオートフォーカスズームレンズ 初期の5本

ニコンは,1959年に発売したNikon Fからずっと,カメラボディと交換レンズとを接続するレンズマウントの基本的な形状を変更していない。そのため,古いボディにあたらしい交換レンズを装着すること(逆に,あたらしいボディに古い交換レンズを装着すること)ができるようになっている。これについてニコンは「不変のFマウント」と称しているが,実際にはさまざまな連動機構が追加されたり改変されたりしている影響で,装着できない組み合わせもあるし,装着できても機能に大きな制約が生じる組み合わせもある。
 連動機構のうち,絞りと露出計の連動についての影響は大きい。いちばんはじめのシステムでは,レンズの絞りリングに爪があり,これがボディ側のピンを動かすことで,「絞りの値」を伝達するようになっていた。

このシステムでは,独立した測光窓をもつ露出計との連動には好都合だが,カメラボディにTTL露出計が内蔵されるようになると,少々,具合が悪い。
 そこで,つぎに絞りリングの根元に切り欠きを設けて,「開放から何段階絞ったか」を伝達するようになった(Ai方式)。このとき,ボディもレンズもすべて,あたらしいシリーズにモデルチェンジされている。このレンズは,「Aiニッコール」と称している。絞りリングの爪も残されており,古いボディでも変わらずに交換レンズを使えるようになっている。

そして,オートフォーカスの一眼レフカメラNikon F-501AFが発売されたとき,さまざまな情報を電気接点でもやりとりするようになった。カメラボディにも,オートフォーカス撮影用のレンズにも,電気接点が設けられるようになっている。このレンズは「AiAFニッコール」と称している。

なお,この電気接点でやりとりされる情報は,ニコンからはじめて発売されたオートフォーカスの一眼レフカメラであるNikon F3AFと,その後に発売されたNikon F-501AF以降のものとでは内容が異なっている。ただし,Nikon F-501AFとNikon F4では,Nikon F3AF用のオートフォーカス撮影用のレンズも使えるように,互換性がもたされているとのことである。

はじめに発売されたAiAFニッコールレンズの外観には,後に改良されたレンズと異なる,共通した特徴がある。その1つは,ピントリングがごく細いものになっていること,別の1つは,距離目盛が窓の中に表示されるようになっていることである。ピントリングが細くゴムも巻かれていないような状態で,また,その動きに抵抗感はほとんどなくきわめて軽く動く。そのため,マニュアルフォーカスをおこなうにおいての使い勝手は,悪くなっていると思える。このことは,モーターでピントリングを回転させるのがスムースに動くような配慮だと思うし,オートフォーカスがじゅうぶんに実用的なものになったということを,ニコンとしてもアピールしたいのではないだろうかもしれないとも思えるものである。
 ともかく,Nikon F-501AFが1986年3月に発売された後にズームレンズのラインアップは少しずつ充実していき,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」vol.87(1986年9月)では,28-85mm F3.5-4.5,35-70mm F3.3-4.5,35-105mm F3.5-4.5,70-210mm F4という4本のズームレンズがラインアップされるようになった。そして,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」vol.88(1987年2月)ではズーム比(長焦点側の焦点距離が,短焦点側の焦点距離の何倍になっているかをあらわす値)が約4倍となる,35-135mm F3.5-4.5もラインアップされた。これによって,ズームレンズのラインアップは5本にまで増えたことになる。

先月に送っていただいた大きな荷物(2023年8月16日の日記を参照)のなかには,5本目のズームレンズであるAF Zoom-NIKKOR 35-135mm F3.5-4.5Sも含まれていた。これもカビが目立つ状態のものであったが,なんとか清掃することができたので,ここにニコンから発売された初期のズームレンズ5本がそろったことになったのである。なお,このあとに発売されるレンズは,外見が大きく変更されることになった。


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