撮影日記


2023年08月26日(土) 天気:晴

京都へ行ったが気になるレンズの出番はなし

久しぶりに,京都市内に行く必要が生じた。
 京都を訪れるのは,何年ぶりのことだろうか。かつて大阪市内に住んでいたし,いまでもそこに拠点があるとはいえ,やはり京都は遠いのである。いや,ものすごく遠いのであれば,気合をいれてわざわざでかけようと思うかもしれない。ものすごく近ければ,頻繁に訪れるかもしれない。そして,京都には個人的にあまり用事がないこともあり,結局,あまり訪れていないということになる。
 京都の夏はとても暑い,そういう印象をもっているのでとくにこの時期に訪れることはさけるようにしていたのだが,京都に行く必要のある用事が発生した。せっかく滅多に訪れないこの時期に京都の街なかにいくのだから,カメラをもっていくのは当然のことである。ちょうど掃除ができたばかりの,AF Zoom-NIKKOR 35-105mm F3.5-4.5SとAF Zoom-NIKKOR 70-210mm F4Sの試し撮りをしてみようと思う。とはいえ京都の街なかだと,望遠レンズよりも広角レンズの方が出番が多くなるかもしれない。そこで久しぶりにPC NIKKOR 35mm F3.5も使ってみよう。そうなるとあわせるカメラは,Nikon F4がいい。Nikon F4ならこれらのオートフォーカスレンズと同じ時代のカメラだから,間違いなく相性がよいはずだし,見た目も似合うはずだ。また,Ai連動ピンを倒せるので,PC NIKKOR 35mm F3.5というAi時代より前のレンズも使いやすい。フィルムは,有効期限が2005年12月の業務用フジカラー100を使う。この期限切れフィルムはまだ手元に残っている。劣化がいま以上にひどくならないうちに,有効に使ってしまいたい。

京都は,やはり暑かった。
 用が済んだのはお昼すぎで,太陽はまだ高く,日陰は少ない。だから,写真を撮りやすいという点では都合がよいが,暑いのはどうしようもない。西本願寺の前の道を入っていくと,寺社仏閣とは縁のなさそうな洋館が出現する。

Nikon F4E, AF Zoom-NIKKOR 35-105mm F3.5-4.5S, FUJI100

建物を撮るのであれば,AF Zoom-NIKKOR 35-105mm F3.5-4.5Sの最短撮影距離の長さも,気にならない。しかし,京都の街路は狭い。引きのとれない場所なので,せっかく長焦点側が105mmまであるレンズなのに,結局,短焦点側ばかりを使ってしまう。
 さて,この洋館は「本願寺伝道院」という,西本願寺の施設の1つである。西本願寺のWebサイト(*1)によれば,現在は「僧侶の教化育成の道場」として使用されているもので,内部が見学できるようにはなっていない。また,もともとは「1895(明治28)年4月」に「真宗信徒生命保険株式会社の社屋」として建てられたものとのことである。
 ともかく目を引く建築物であるから,とりあえずその特徴的な姿を撮ってみたい。しかし,この狭い街路では35mmでもまだ足りない。とはいえ,28mmあるいは24mmの広角レンズを使いたいところだが,被写体の印象が散漫になるだけだから,安直に超広角レンズに頼るのも考えものである。散漫になるだけでなく,このあたりは電線の地中化などされていないため,それをわずらわしく感じることになるかもしれない。それについては逆に,その複雑な造形を絵にまとめられるかもしれないが,残念ながらそこまでの技量はもちあわせていない。
 むしろ,こここそがPC NIKKOR 35mm F3.5の出番である。Nikon F4でこのレンズを使うのは,はじめてである。建物が順光になる位置で,かつ,建物の姿をとらえやすい位置,さらに重要なこととして自分自身は日影になる場所から撮ってみる。

Nikon F4E, PC NIKKOR 35mm F3.5, FUJI100

Ai連動ピンが倒せるからとNikon F4を選んだのだが,じつはNikon F4には大きな問題点があった。ペンタ部が前に出っ張っているので,横位置にカメラを構えたときに,シフトアオリができないのである。縦位置であれば問題はないので,このレンズではもっぱら縦位置で撮ることになった。これはまったくもって,想定外のことである。

ところで,今日,いちばん試してみたかったレンズは,AF Zoom-NIKKOR 70-210mm F4Sである。しかし,望遠レンズで撮ってみたくなるような場面を見つけることは,残念ながらできなかった。ここは,もうすこし暑さがやわらいでから,あらためて撮り歩いてみたい場所である。
 ところで西本願寺は,「どなたでもお参りいただけます」とのことである。(おそらく日中であれば)自由にはいり,参拝できる。訪れたときにはとくに特別な行事がおこなわれていたわけでもなく,お堂に参拝している人は少なかった。誰もいないわけではなく,ふと立ち寄っただけの観光客のように見える人や,熱心な信徒の人のように見える人など,ちらほらいらしたのである。

*1 境内と建造物|観る|お西さん(西本願寺) (西本願寺)
https://www.hongwanji.kyoto/see/keidai.html


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