撮影日記


2022年08月28日(日) 天気:晴

Kodak DCS 200はPCとつながったけれど

Kodak DCS 200は,世界ではじめて市販された,カメラ部とデジタル部とが一体化した,デジタル一眼レフカメラであるとされている。具体的には,ニコン製の一眼レフカメラNikon N8008s(Nikon F-801Sのアメリカ向け輸出モデル)の裏蓋をはずし,そこにコダック製のデジタルバックを組みあわせたものである。厳密にいえば,そのデジタルバックこそがKodak DCS 200ということになる。
 Kodak DCS 200には,カラー撮影モデルとモノクロ撮影モデルとがあり,カラー撮影モデルはKodak DCS 200c,モノクロ撮影モデルはKodak DCS 200mとなる。このデジタルバックにはハードディスクドライブが内蔵されており,撮影した画像はそこに記録される。ハードディスクドライブを内蔵したモデルには「i」がつけられて,それぞれKodak DCS 200ci,Kodak DCS 200miとなる。カラー撮影モデルでハードディスクドライブを内蔵したモデルがもっともポピュラーなようなので,単にKodak DCS 200と表現されている場合は,Kodak DCS 200ciをさすものと考えればよいだろう。
 Kodak DCS 200は,全世界で3240台が発売されたことになっている。決して少なくない数であるが,中古カメラの市場で見かける機会はごく少ない。これより古いものは,世界ではじめて市販されたデジタル一眼レフカメラとされるKodak DCS 100くらいで,発売された数はさらに少ない。そのためKodak DCS 200が「ふつうに入手できる」ものとしては,もっとも古いデジタル一眼レフカメラであると考えたい。
 わたしが入手しているものは,カラー撮影モデルでハードディスクドライブを内蔵している,Kodak DCS 200ciである。しかし,残念なことに内蔵されたハードディスクドライブが故障しており,撮影ができない状態である(2020年10月14日の日記を参照)。

Kodak DCS 200に内蔵されたハードディスクドライブに記録された画像を取り出すには,Kodak DCS 200とパーソナルコンピュータをSCSIで接続する。そして,TWAINドライバをインストールして,Aldus Photostyler(Adobe Photoshopの前身にあたるソフトウェア製品)から呼びだすことになっている。Kodak DCS 200が発売されたのは,1992年8月である。まだ,Windows 95すら発売されていない,Windows 3.0の時代である。そのためか,Windows 2000の環境ではうまく動作しない。

 Windows 98の環境を用意してカメラと接続すると,カメラを制御するためのコントロールパネル(DCS 200 Control Panel ASPI)が開いた。しかし,画像ファイルは認識されておらず,まっくろな画面と同じファイル名が繰り返し並んでいるだけである。画像を記録するハードディスクドライブが故障しているだけでなく,バッファメモリの故障なども考えられる。そこで「Do Self Test」を実行すると,最終的にデジタルバック背面の液晶ディスプレイにエラーメッセージ「E2」(the failure of the disk to start)が表示される。
 このKodak DCS 200を撮影に使えるようにするのは,まだ先のことになりそうである。あるいは,致命的な故障があって,撮影には使えないのかもしれない。


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