撮影日記


2006年11月27日(月) 天気:雨

「三段峡水景色」
展示作品05 繰糸滝・5月

2004年5月1日,2日におこなった,「新・広島お気軽写真クラブ 第1回写真展」で展示した写真のうち,「三段峡・水景色」というテーマで展示をおこなったものを紹介している。その5枚目は,この写真である。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 250mm F5, EPN

三段滝よりも上流側は,より下流側にくらべて,訪れる人が比較的少ないように思う。それは,三段峡における見どころとして,峡谷のなかほどにある「三段滝」「二段滝」「猿飛」が第一にあげられていることが原因であろう。そして,峡谷の入り口として,バス(かつては鉄道も)の便がある最下流部の柴木口(長淵橋,旧・三段峡駅付近)や,峡谷なかほどの水梨口(葭ケ原の近く,水梨林道の終点付近)がよく利用されてきたことも含めて考えれば,下流側から「三段滝」まで訪れる,というパターンが一般化するのは,自然の成り行きであろう。
 しかし,水梨口から三段滝に至る間というのは景観の変化が乏しく,歩くときの魅力が薄いと私は感じている。歩いていて楽しいのは,柴木口から入って雄滝・雌滝を含めた多数の滝があるあたりまでと,三段滝より上流側である。とくに,三段峡最上流部の樽床ダムから,およそ1.5kmくらい下ったあたりの出合滝のあたりまでが楽しいと思う。下流側にくらべて,「観光地化されていない」雰囲気が感じられるとでもいえばいいだろうか。もっとも,遊歩道は整備されているので,気候のよいときならば軽装で訪れることも問題ないだろう。

さて,樽床ダムから少し下ると,三段峡最上流部の三ツ滝に到達する。さらに,貴船滝を過ぎると,三段峡における見どころの1つである「竜門」に達する。このあと橋を渡って少し歩くと,対岸の下の方にごく細い滝が見えてくる(このあたりでは,遊歩道は少し高いところを通っている)。これが繰糸滝である。
 お昼ころにここを訪れると,ちょうど水の落ちてくるあたりから,日光が差しこんできて,細く流れ落ちる水や,それが岩にあたってはねかえるところがきらきらと輝いて見える。この写真は,そんなときを狙ったものだ。


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