撮影日記


2006年11月26日(日) 天気:雨

「世界遺産航路」の船は爆走する

以前から,平和公園の元安橋のところの船着場から,「リバークルーズ」というものが運行されていた。これは,川から広島市内を観光しようというもので,橋の下をくぐることができるように,平たい船が就航している。平和公園で遊んでいたりすると,ときどきその船がのんびりと通り過ぎるのを目撃することがあり,以前から,一度,乗ってみたいと思っていたものである。
 その後,それと似たような船で,平和公園と宮島を結ぶ航路ができていた。原爆ドームと厳島神社という,2つの「世界遺産」を結ぶ航路ということで,「世界遺産航路」と称している。平和公園と宮島を,45分ないし55分で結ぶという。平和公園から宮島へ,広島電鉄の電車と連絡線を利用して行くとすれば,乗り換え時間などを考えれば1時間近くかかるだろうから,「世界遺産航路」の所要時間は,たいへん魅力的である。しかし,運賃については440円(電車270円+連絡船170円)と1900円(世界遺産航路)で大きな差があり,なかなか利用しようという気になることができなかったのだった。
 今日,遠方からのお客さまを宮島へ案内することになったので,この「世界遺産航路」を利用してみようと考えたのである。

川を航行する船は,川の水が少なくなると航行できず,逆に多くなりすぎると橋の下を通ることができなくなるなど,安定して運行することが容易ではないようだ。「世界遺産航路」は,毎日1時間に1便くらいの運行がされることになっているが,日によってはいくつかの便が欠航予定になっている。運行予定表は,運営会社のウェブサイトで公開されているが,1週間くらいの周期がみられるので,おそらく干潮や満潮などの影響を受けてのことと思われる。そして,月に何日か,欠航予定の多い日がある。きっとそれは干潮や満潮の差がとくに大きい「大潮」と関係があるものと思う。そして,今日はそのような欠航の多い日であった。
 さて,宮島からは宮島口への連絡船のほかに,平和公園行き「世界遺産航路」と広島港(宇品)行きの高速船の航路がある。宮島口への連絡船乗り場のところには,お土産物の売店もある大きな建物があるのだが,「世界遺産航路」と広島港行きは,その建物から少し東の方へ行ったところに乗り場がある。少し寂しい。。。
 今日は雨がちの天気であるが,紅葉シーズンの最後の日曜日だからだろうか,「世界遺産航路」の船は,ほぼ満席となった。いつもこれくらい利用者があれば,この航路も安定して運行が続けられるのだろうと思うが,実際はどうだろうか。さて,船が桟橋をゆっくりと離れていく。このままのんびりと平和公園までの船旅ができるのだろう・・・・と思ったら,船は突然,爆走をはじめたのであった。いわゆる高速船の速さである。なるほど,運賃が高いのもうなづけるというものだ。また,この爆走があるからこそ,45分ないし55分で宮島と平和公園を結ぶことができるのだろう。船内での説明によれば,海上をおよそ20分間爆走し,川に入るとゆっくり航行することになるそうだ。
 川に入ったころ,雨も止みがちになっていた。そこで,後部のデッキに出ることができるようになった。川から見る広島市内は,たしかにいつもと視線が違って,新鮮である。また,「次の橋は低いから全員しゃがむように」という指示の出るようなところもある。
 「世界遺産航路」は,思っていたよりもはるかに楽しい航路であった。気軽に宮島に遊びに行こう,というときには少々利用しがたい運賃であるが,今回のように遠くから広島に来られた方を案内するときには,利用することを積極的に考えてもよさそうだ。また,広島へ観光目的に訪れる方は,ぜひ,この利用を検討してみてはいかがだろうか。

頭上注意!
川から見る光景は新鮮。
元安橋の船着場に到着。

(参考URL)
 http://www.aqua-net-h.co.jp/sekaiisan_course.html


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