撮影日記


2006年11月28日(月) 天気:雨

「三段峡水景色」
展示作品06 貴船滝付近・10月

2004年5月1日,2日におこなった,「新・広島お気軽写真クラブ 第1回写真展」で展示した写真のうち,「三段峡・水景色」というテーマで展示をおこなったものを紹介している。その6枚目は,この写真である。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 250mm F5, EPN

竜門を過ぎてさらに上流へ進むと,遊歩道は川に近いところを通るようになる。このあたりは樽床ダムの完成後,(竜門も含めて)水量が相当に減り,往時の迫力が失われたという話を耳にすることがある。水量が減ると,河原に草が生えるようになる。ここも,流れのないところに一面のススキが生えている。
 上流側から見ると,ちょうど朝の日差しが逆光気味になり,ススキの穂を美しく光らせている。また,川面からかすかにのぼる靄も光っている。こういうときは,「空気が写るフィルム」と私が勝手に呼んでいるEPNの出番だ。今回の展示のテーマは,「三段峡」の「水」である。川の流れ,滝のしぶきだけでなく,水蒸気も「水」の1つの形態である。

この場所の近くに,貴船滝という小さな滝がある。最下流部にある姉妹滝と同様に,右岸から流れこんでくる数少ない滝の1つである。この滝そのものは,あまり特徴のない滝といえるかもしれない。私がこの滝で好きなのは,この滝の上部に広がる空間である。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 100mm F3.5, EPN

ずっと奥の方にまで続くように思われる谷,両側から覆い被さるような木,そして,ほどよい明るさ,ここにいると落ち着けるような気がする光景に思われるのである。ただし,これを撮った場所は足元が悪いので,実際にここで落ち着くことは困難かもしれない。


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