撮影日記


2006年11月08日(水) 天気:晴

「常清滝の四季」
展示作品05 岩陰に咲く

10月21日(土),22日(日)におこなった,「新・広島お気軽写真クラブ 第3回写真展」で展示した5枚目は,この写真である。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 250mm F5, E100VS

ここの紅葉が見ごろになるのは,例年11月最初ころである。紅葉は,色づきはじめると一気に進むという印象があるので,余裕があれば少し早いうちからようすを見に訪れることがある。
 そんなとき,岩にへばりつくように,滝の流れの直撃を避けるような位置に,小さな白い花を見つけた。詳しい品種まではわからないが,いわゆる「ダイモンジソウ(大文字草)」のようである。

ダイモンジソウは,ユキノシタ科の多年生植物である。5片の花びらのうち2片が長く,その花の姿が「大」の字に似ているところから,「ダイモンジソウ」という和名がつけられているという。場所によっては,大きな群落になっていることもあるそうだが,ここではひっそりと,咲いていた。
 これは,実に小さな花である。まあ,小さいといっても,35mm判一眼レフカメラにマクロレンズを組み合わせれば,画面いっぱいに大きくこの花の特徴的な姿を写しこむことは可能だろう。しかし,Mamiya-sekor 250mm F5だと,最短撮影距離付近で撮っても画面上に占める大きさはこの程度である。花の姿そのものではなく,その花の咲いている場所全体を写しこむことになる。そのため,この画面上のような小さな画像では,この花の存在そのものが目立たないかもしれない。
 しかし,この写真を半切に伸ばしてみれば,花の大きさはほどほどになる。近づいて見れば,花の形もよくわかる。離れて見れば,この花の咲いている空間の雰囲気を感じ取っていただけるだろう。

ここは,背景に滝の流れが見えていることや,岩の表面が濡れていることからもわかるように,しぶきがかかりやすい場所である。また,水流による風も常時あり,背丈の小さな花であるが,花茎の先に広がった花は,必ずしも静止していない。だから,花が静止するタイミングをみはからってシャッターをレリーズすることになるが,可能な限り露光時間は短くしたい。されど,ここは薄暗い場所であり,開放では花自身にピントが十分にこないだろう。また,できるだけ露光時間を長くして,背景の水は,流してしまいたい。結局,どれだけの露光時間を与えたのかは覚えていない(面倒なので,いちいちメモなどをとっていない (^^;)のだが,まあ,期待した結果にはなっている(ここで「まあ,いいか」ではなく,さらにベストを追い込むのが,正しい撮影に対する姿勢であろうことは,アタマではわかっているのだが (^^; まあ,許せ)。

この花の咲いている岩の下は,少し深くなっている。
 かつて,いわゆる「ローアングル」に対応した三脚は,その脚のつけ根の部分が「壊れやすい」弱点になるのではないか,と懸念していたものである。しかし,スリック「ザ・プロフェッショナル」の場合だと,その心配は感じられない。こういう三脚を立てにくい場所では,「ローアングル」に対応した三脚は,たしかに便利である。


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