撮影日記


2006年11月07日(火) 天気:晴

「常清滝の四季」
展示作品04 秋を敷き詰めて

10月21日(土),22日(日)におこなった,「新・広島お気軽写真クラブ 第3回写真展」で展示した4枚目は,この写真である。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 75mm F5.6, E100VS

常清滝を訪れるようになったきっかけは,「紅葉がきれいだから」という話を耳にしたことである。しかし,実際に訪れてみると,単純にきれいなわけではないようだ。高い滝であるので,その左右がきれいに紅葉すれば,たしかに美しい光景になることは想像できる。しかし,なかなか左右がそろって紅葉しないのである。ここは明らかに,滝に向かって左側の斜面の方が,年中,日光がよくあたる。そして,反対側に日光があたる時間は短い。これが,左右の紅葉が揃わない理由ではないかと想像する。だから,左右がそろって紅葉するのは,その年の天候にも左右されるだろうし,そもそもそろって紅葉する期間は短いのであろう。
 この日も,滝に向かって左側はほどほどに紅葉していたのだが,右側はいまひとつな状況であった。そこで右側を,手前にある黄色く色づいた葉のある木で隠すことができるように,低い位置から撮ってみることにした。このとき,手前の石段に,ほどよく落ち葉が積もっていることにも気がついた。

どこでもそうなのだが,紅葉のピークを過ぎると,一気に落葉がはじまる。そして,このように地面が色づいた落ち葉で埋め尽くされた状態もまた,撮影のチャンスだと思う。石段に積もった落ち葉,こちらを主にして撮ろうとピントグラスを覗いたとき,手前中央付近に1つだけ,黄色い落ち葉のなかに,赤い落ち葉があるのをみつけた。
 パーソナルコンピュータのディスプレイ上での小さな画像ではあまり気にならないかもしれないが,これを半切にプリントして額縁に装填して展示すれば,この1枚の赤い葉がいいアクセントになってくれているのがご理解いただけるかと思う。
 「いい写真は,大きく伸ばさなくても,そのよさがわかるはずだ」という意見も耳にすることがある。多くの人が「いい」と思う写真に,そういう傾向があるのはたしかだろう。しかし,大きく伸ばすことではじめて伝えたいポイントが見えてくる場合もあるだろうし,逆に,大きく伸ばすとアラが見えてしまう写真もあるだろう。どちらの場合も,写真としての完成度が低いといわれれば,それまでなのだが。

ところで,地面に敷き詰められる葉は,赤いものよりも黄色いもののほうがいい。なんとなく,落ち着く光景になると思わないか?だから,筒賀神社の大イチョウも撮りに行くのである。あの,黄色い落ち葉で敷き詰められた場所を見たいし,撮りたいのである。
 昨年の,「新・広島お気軽写真クラブ 第2回写真展」では,その筒賀神社の大イチョウの写真を展示した。そのときの写真も,いずれ1点ずつ紹介していこうと思う。
 そういえば,そろそろ筒賀神社の大イチョウが,黄色く色づいているはずだ・・・。今年は,撮りに行く時間がないかもしれないが。。。


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