撮影日記


2006年10月05日(木) 天気:晴

これってホメことば?

今日は,NHKの人と話をする機会があった。「受信契約」とかの話とかではない。仕事の打ち合わせである。
 その余談として,画質のチェックの話があった。たとえばある女優さんは,スケジュールがタイトなせいか相当に肌が荒れているとのことだが,その所属事務所の意向により,肌荒れがわからないように画像の修正を要求されるという。そのような厳しいチェックにこたえられる体制がある,ということだ主題だったのだろうが,ちょっとした吹き出物の存在もすべて修正するというあたりに,テレビ番組の制作の厳しい現実を垣間見た気がするのであった。しかし,この女優さんが「生放送」とかに出演する場合は,画像処理はどうするのであろうか?という疑問がわいてきた。ただ,あくまでも仕事の打ち合わせがその場での主であるため,そういう素朴な疑問は,自分の内側におさめておくことにした。もしかすると,ドラマに出演する場合と,バラエティ番組等に出演する場合とでは,要求されるレベルが異なっているのかもしれない。
 NHKの人は,余談としてさらに次のような話もしてくれた。

「これってホメことば?」 全然売れてません orz

この夏だったか,たまたま「みんなのうた」で聞いたことがあるので,そのような歌の存在は私も知っていた。「みんなのうた」は,1961年に放送開始された番組で,5分間に2曲が紹介されるというものである。そこで取り上げられる歌は,子ども向けの童謡のようなものが中心にあると思われるが,ときとして先進的なポップスのようなものも取り上げられたりする。熱心にチェックしているわけではないが,たまたまテレビやラジオをつけたときにこの番組に遭遇したりすると,気になってじっくりと見て(聞いて)しまうものである。
 「これってホメことば?」は,「ことばおじさん」と称する人物(NHKのアナウンサー)が登場し,最近のいわゆる「若者語」を取り上げ,一見,悪い意味をあらわしているように聞こえることばが,実はたいへんよい意味で使われているということを説明しているものである。具体的には「なにげに」(本来の「なにげない」は「これといって何の考えもない」の意味だが,ここでは「けっこう」という意味で使われる)などが取り上げられている。
 この歌は,たしかにおもしろい企画である。今,世間では日本語への関心も高いようで,このようなことばを扱う書籍もよく見られる。そのような書籍としては,たとえば,大修館書店「問題な日本語」シリーズがあげられる。「なにげに」については,「問題な日本語」でも取り上げられている,今,もっともホットな話題のことばの1つであろう。

ところで,「これってホメことば?」を歌っているのは,「ことばおじさんとアナウンサーズ」となっている。「ことばおじさん」も,バックで演奏しているのも,みんなNHKのアナウンサーである。なるほど,世間では,テレビ局のアナウンサーのファンというものも少なくないようなので,こちらの面からも流行を追ったものと思われる。
 つまり,「これってホメことば?」は,今,話題の「ことば」を取り上げながら,アナウンサーたちを出演されることによって,「流行」の要素を多く取り入れ,大ヒットをねらったものと想像できる。
 しかし,世間でよく見られる「アナウンサーのファン」の対象は,いわゆる「女子アナ」なのではないだろうか。いや,オジサンのアナウンサーのファンがいてもおかしくないのだが,その数は,女子アナ・ファンにくらべれば,かなり少数派ではないだろうか。

ともあれ,「これってホメことば?」は,期待したほどのセールスをあげられていない状態ということだ。このDVDを紹介する,単品のペラまで用意されているにもかかわらず,である。ただ,歌の内容としてはたいへんおもしろいので,興味のある人は,一度,聞いてみるのもいいだろう。


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