撮影日記


2006年07月26日(水) 天気:はれ一時あめ

マミヤCも気になる今日このごろ

友人に貸していただいている「写真工業」(1960年12月)では,新発売になった初代「マミヤプレス」の記事が目立っている。小型カメラでは徐々に世界的な評価を得始めていた日本製カメラであるが,大型カメラではまだまだ外国製品の方が有力だったという背景がある時代だ。日本製カメラが,大型カメラの世界でも通用するようになる,そのきっかけとして,トプコン「ホースマン960」や,初代「マミヤプレス」が期待されていたようである。
 初代「マミヤプレス」が期待される背景には,その前,1957年に登場した,「マミヤフレックスCプロフェッショナル」の評価があるだろう。二眼レフカメラでありながら,レンズ交換などのシステム化を実現したカメラである。1960年当時には,すでにハッセルブラッドやゼンザブロニカなどの6×6判一眼レフカメラが登場しており,プロ用カメラとして定着しつつあったようである。一眼レフカメラにくらべると,二眼レフカメラはいろいろな面で不利である。そんな時代に,レンズ交換だけでも実現させた,「マミヤフレックスCプロフェッショナル」は,やはり歴史的名機の1つといえるのであろう。一眼レフカメラ特有の,ミラーによる像の焼失が,二眼レフカメラには起こらない。そういう理由から,まだまだ二眼レフカメラを選ぶ人は,それなりに存在したものと思われる。
 ・・・・などと考えていると,マミヤCシリーズの二眼レフカメラも,欲しくなってくるのであった(笑)。どうも,この「写真工業」(1960年12月)は,物欲を刺激してくれるので困る。この本を貸してくださった,友人の陰謀なのかもしれない。幸いなことに,今のところ中古カメラ店等を巡回するヒマがないので,散財をせずに済んでいるのである。

ところで,マミヤCシリーズの「C」は,どんな意味が含まれているのだろうか?

なにげに,Cシリーズの初代モデルである,「マミヤフレックスCプロフェッショナル」の発売年を確認するべく,マミヤOP社のサイトを参照した。その結果,「マミヤフレックスCプロフェッショナル」の発売は,1957年1月であることがわかった。
 それ以前の,マミヤの二眼レフカメラは,どのような機種があったのだろうか。
 最初,1948年9月に,「マミヤフレックス ジュニア」という,ピント調整が前玉回転式の二眼レフカメラが発売されたようである。翌年1949年7月には,ピント調整が前板繰出式となり,フィルム装填がオートマット式になった,「マミヤフレックスオートマットA」が発売されている。
 1954年1月には,スタートマーク式のセミ・オートマットになった「マミヤフレックスオートマットB」が発売された。「マミヤフレックスオートマットA」(45,000円)よりもずいぶんと価格が安くなっている(28,000円)。このあと,毎年のように,完全オートマットの「A」型と,セミオートマットの「B」型がモデルチェンジされている。
 そして,レンズ交換が可能になった,あたらしい「マミヤフレックスオートマット」のシリーズとして,「マミヤフレックスCプロフェッショナル」(セミ・オートマット)の発売に至った。前板繰出式の二眼レフカメラとして,「A」型,「B」型に続くシリーズだったわけである。
 「C」型は,このあと,1958年「マミヤフレックスC2プロフェッショナル」が発売され,1962年「マミヤC3プロフェッショナル」では「フレックス」ということばが使われなくなった。1965年「マミヤC33プロフェッショナル」, 1966年「マミヤC22プロフェッショナル」,1968年「マミヤC220プロフェッショナル」,1969年「マミヤC330プロフェッショナル」,1975年「マミヤC330プロフェッショナルf」,そして最終モデル,1982年「マミヤC220プロフェッショナルf」までシリーズが継続したのであった。

さて,実際にマミヤCシリーズのカメラを買うとした場合,どのモデルを選ぶのがよいだろうか。

もし,本気でこのカメラを使って作品つくりをするのであれば,できるだけあたらしいものを選ぶにこしたことはないだろう。C330fかC220fあたりが無難なのではないだろうか。一方,これをコレクションとして考えるなら,初代モデルである「マミヤフレックスCプロフェッショナル」が魅力的である。
 とりあえず,こんど中古カメラ店を訪れる機会があったら,実際にマミヤCシリーズがどれくらい流通しているのか,どれくらいの価格で流通しているのか,それとなく観察してみたい。
 ただ,私はいまのところ,これで作品をつくることは考えていない。だから,もし購入するとしても,激しく安価なものでなければ,手を出すことはないだろう・・・・・と思う。


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