撮影日記


2006年04月09日(日) 天気:曇

やっぱりサクラはステレオで撮りたい

単にサクラというとき,それはソメイヨシノを指すことが多い。気象庁などが発表するサクラの開花も,ソメイヨシノが基準になっている場合が多い。また,サクラの名所とよばれる場所も,そのサクラはソメイヨシノであることが多い。
 ソメイヨシノは,人為的に植えられているケースが多いようだ。したがってその写真を撮るとき,背景には人工物やその他,人びとの生活の痕跡が入りこんでくることになる。それらが入りこんでくることを嫌う人は,ソメイヨシノよりは,ヤマザクラなど人家から離れたところにある木などをおもに狙うようである。
 さて,ソメイヨシノは実際に身近なところでよく見られるサクラであり,ちょうど年度が変わるころに開花するため,たいへん印象に残るものである。そこで,ついつい撮りたくなる対象になってしまうものだ。サクラの花の1つ1つはたいへん小さい。しかし,いくつかの花が集まって,ある程度の規模になったものとして見れば,ちょうどステレオカメラで撮りたくなる大きさとなる。身近にあるサクラを,いろいろとステレオカメラで撮ってみることにする。

突き出した枝に着目してみよう。

Kodak Stereo Camera, 35mm F3.5, GOLD100

立体視することで,どの枝がどれだけ手前にあるか,どちらの枝がより手前にあるかなどが,判別しやすくなっている。下の方の枝が手前に突き出していることは立体視しなくても想像できるだろうが,上の方の枝にも,手前に突き出しているものがあることは,立体視しなければ,なかなか判別できないだろう。
 また,このサクラの向こう側にあるものも,立体視することで,より鮮明に判別できるようになるのだ。

さて,このようにしてサクラを撮っていると,人の生活する場に近いところにある木だから,どうしても通りすがりの人が写りこんでしまうことがある。ほどよい距離を保ってきた,人とサクラの長い関係がうかがえるわけだ。しかし,立体視すると,この人たちの数歩先に落ちている石ころが,たいへん気になってしまうのであった。

Kodak Stereo Camera, 35mm F3.5, GOLD100

・・・・などとつぶやいてみたが,きれいな青空を背景に,順光状態で雄大にサクラを撮ってみたいと思っていないわけではない。しかし,余裕のある日に天気がよいとはかぎらない。この要因は,無視できない大きなものである。

ところで,これらのステレオ写真は,このままPCのディスプレイで立体視できる大きさになっているはずだ。しかし,ディスプレイ上では,いまひとつ細部がよく見えず,立体感も少ないかもしれない。十分な大きさと解像度で出力して立体視すれば,花びらの1つ1つも見えてくるような気がするわけだが,上にある画像をこのままプリンタ出力しても,十分な大きさと解像度の画像は得られないことはご了承賜りたい。


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