撮影日記


2006年01月05日(木) 天気:曇

時代はやっぱりディジタルカメラ?

年末には,久しぶりに「梅から生まれた梅太郎」氏と会って話ができた。やはりというか,なんというか,彼はすでにペンタックス「ist*D」を購入していた。そして,それっきり,フィルムの消費量が激減したという。バケペンこと「ペンタックス6×7」の出番すら,激減しているというのだ。たしかに,現在のディジタル一眼レフカメラによる画像は,十分に実用的なレベルに達しているわけだし,操作感覚は使い慣れたAF一眼レフカメラと同等のものだから,特別な目的がないかぎり,それだけあれば十分なのかもしれない。
 「梅から生まれた梅太郎」氏は,長年のいわゆる「ペンタ党」(ペンタックスのカメラを深く愛用し使いこなしている人)である。「LX」からMZシリーズ,さらにはバケペン「6×7」まで,ペンタックスのカメラを使い込んできている。また,35mm判カメラ用には,高性能レンズのシリーズである,FA★レンズ群も使ってきていた。そんな彼だから,「ist*D」が発売されたときは,「文句なし」にそれを選択し,購入したということだ。というか,それしか選択の余地がなかった,ともいえるだろう。
 「ist*D」は,従来のKマウントのレンズを,そのまま使うことができるという。そのため,FA★レンズ群は,ディジタル一眼レフカメラで,より高品質の画像を得るために,大活躍するようになっているという。

今日は,仕事始めである。出社してきた,職場の後輩くんが,コニカミノルタ「αSweet Digital」を購入した,と教えてくれた。ディジタル一眼レフカメラも,10万円前後で買えるようになってくると,「そろそろどうしようか」と思っていた人たちを「踏み切らせる」ことになるようだ。
 彼は,Xシリーズの時代からαシリーズを通じての「ミノルタン」(ミノルタのカメラを深く愛用し使いこなしている人)である。だから,αシリーズ用に買い集めていたレンズ群を活用するために,「αSweet Digital」を選択したのも,ごく自然なことであっただろう。

キヤノンEOSシリーズを使っていた人は,すなおにキヤノンのディジタル一眼レフカメラを買っているようである。ニコン様の一眼レフカメラを愛用してきた人は,すなおにニコンのディジタル一眼レフカメラを買っているようである。私も,その1人だ。ペンタックス,ミノルタ,キヤノン,そしてニコンのディジタル一眼レフカメラは,従来から発売されていたレンズが利用できるような製品になっている。「今のディジタル一眼レフカメラは,(一部を除いて)画面サイズが35mm判よりも小さいから」という理由で購入を見送っている人もあるようだが,それは実は大きな問題ではなかったのである。写角が狭くなるという制約は発生するが,それまで使ってきたレンズをそのまま利用できるというメリットは,やはり大きいのである。
 そのせいかどうか,正確なことをいえるだけのデータはもっていないが,私の知人の範囲では,オリンパスの「フォーサーズシステム」を購入したというオリンパスOMユーザの存在を知らない。

さて,私も,ディジタル一眼レフカメラ「D70」様には1年間,いろいろな場面においてお力をお貸しいただいてきたことになる。画面はいわゆるAPS−Cサイズであるし,解像度としては600万画素ほどなので,数値的には,もはやたいしたスペックではない。それでも,私的な日常の撮影には,大きな力を発揮してくださる。撮って帰ってきたその晩に,必要な画像を選択し,「カメラのキタムラ」などのいわゆる「ネットプリントサービス」を利用して画像データを送信しておけば,たいてい翌日の午前中にはプリントが仕上がっている。撮影した画像を,家庭用プリンタで出力する方法もあるが,それはたいへん時間がかかるし,出力したプリントの品質にも限界があり,その保存性も未知数である。すなおに,写真店で出力してもらう方が,少なくとも現時点ではトータルで見れば合理的であろう。
 ちなみに,通常は,RAWデータとJPEGデータを同時に記録するようにしている。すなおな条件で撮ったもので,L判程度のサイズにプリントするときなら,JPEGデータをそのまま使えばよいので,話が早い。撮影条件がよくなかったなど,なんらかの条件によって,どうしても補正が必要な場合は,RAWデータをもとに補正をおこなえばよい。カメラには,通常,512MBのCF(コンパクトフラッシュ)カードを装着しているので,この方法で記録すると,撮影可能枚数は80枚足らずである。512MBというのは,CD−Rなどにバックアップするのに手ごろなデータ量であり,600万画素程度だからこそ,512MBという小容量のメディアでもそこそこの枚数の画像を記録できるわけで,実際に扱うにおいては,たいへんバランスがよいと感じている。
 なんでも,高スペックなだけが優れているわけではないということだ。

と考えておけば,より低価格でより高スペックな新製品が発売されても(いや,いくらも経たないうちに発売されるだろう),さほど惜しくは感じないものである(笑)。昨年,すでに,ディジタル一眼レフカメラは,「買いどき」を迎えていたのである。少しでも「必要」を感じたら,すぐにでも買うべきだ。いまだに「画素数がフィルムに追いつかない」だの,「画面サイズがAPS−Cサイズでは使いにくい」だの,余計な言い訳を唱える必要はなくなっている。すなおに「自分には必要ない」あるいは「金がない」と言え。
 ディジタルカメラに,フィルムと同等の品質を求めるのは,まだ現時点では「酷」というものだろう。したがって,「自分には(まだ)必要ない」「自分はフィルムでの撮影にこだわる」という姿勢は正しいものであるということは,みんなわかっているのだ。
 そして,「自分には必要だ」と思ったなら,もうなにも考えずに買うべきである。ディジタルカメラは,カメラとは性質が違う。家電製品である。パーソナルコンピュータの周辺機器である。長持ちさせるという要素は,カメラよりもかなり薄いものである。熟成させても旨味は増さない。旬を味わうべきものなのだ。だから,「買ってもすぐに陳腐化する」のはあたりまえであり,避けて通ることはできない。

と,まあ,年始でもあるので,ちょっと吼えてみた(笑)。
 昨年は,ディジタルカメラの便利さを,あらためて痛感す年となった。一方で,せっかく確保した暗室を,もっと活用しなければという思いが強くなってきた。よく考えれば,昨年はほとんど暗室を活用していない。今年は,なんとか暗室を活用して,「作品」と呼びたくなるようなものをつくりたいものだ。

この暗室を,どこまで活用できるようになるか・・・・・

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