撮影日記


2006年01月03日(火) 天気:曇

呉が気になる今日このごろ

今日は,「男たちの大和/YAMATO」を観に行った。2日続けて映画を観に行くのは,私としては極めて珍しいことである。これは,以前から興味のあった作品だったのだが,ちょうど上映館のタダ券をいただいたので,今日,観に行ったのである。ちなみに,行き先は「田辺キネマ」ではなく,「道頓堀東映劇場」だったりする(「田辺キネマ」では,1月7日から上映されるらしい)。朝10時からの上映は,あまり混んでおらず,ゆったりと見ることができた(しかし,「田辺キネマ」のゆったりさには,かなわないだろう)。

「男たちの大和/YAMATO」は,(尾道の近くの)向島にある休業中の造船所に,実物大の戦艦「大和」の模型をつくって,そこで撮影がおこなわれたことで話題にもなった。そのロケセットは公開されており,多くの人が訪れているとのことである。また,呉の町などを利用したロケもおこなわれている。見たことのある風景が出てくると,なるほど,この風景はこう見ると絵になるのかな,という参考にもなりそうである。
 向島のロケセットには,この夏に訪れた。ここを使ってのシーンは,たいへん迫力のあるものにしあがっている。艦橋(ブリッジ)部分はロケセットにはつくられておらず,CG(コンピュータグラフィクス)で合成したとのことだが,これは自然にうまくできているように思う。しかし,航行中のシーンなど,「いかにもCG」な場面があったのは,しかたのないこと。「男たちの大和/YAMATO」は,CG合成の技術を鑑賞する無粋な作品ではなく,「泣く」作品である。「はい,ここ。泣く場面ですよ。思いっきりどうぞ。」というポイントが,あらゆるところに用意されている。映画館で私の前に座っていた人は,途中からグシュグシュ泣きっぱなしであった。
 映画の内容について,ここでこれ以上,多くを語るような無粋なことをするつもりは毛頭ないが,1つだけ気になる場所がある。登場人物の1人の出身地が,「筒賀村中筒賀」という設定になっていた。実家の母親宛てに,郵便を送るシーンが出てきて,宛先が読めるようになっているのだ。その実家は農村で,母親は,田んぼで農作業をしている。中筒賀ではないが,同じ旧筒賀村内の「井仁」地区の棚田あたりでも利用したのかな?と一瞬期待をしたが,どうも違うようである。
 この田んぼは,どこにあるのだろうか。些細なことであるがちょっと気になる。

ちなみに,広島市内のJRの駅などで配布されていた「ロケ地マップ」によれば,呉市内や向島のロケセットだけではなく,尾道市周辺でもかなりのロケがおこなわれている。映画のなかで,呉の海軍基地の近くの海辺の村がでてくるが,それは向島の隣の岩子島(いわしじま)や,松永湾に面した海沿いの集落で撮影されたものらしい。ちなみに映画のなかの設定では,そこは「安芸津」ということになっている。
 件の農村のロケ地については,「ロケ地マップ」には記載されていなかった。少なくとも,呉市あるいは尾道市周辺ではない,「ロケ地マップ」の範囲外でのロケだったのだろう。もっとも,エンドロールには,ロケ地として「安芸太田町」の文字は見られなかった。

さて,この春に,呉市にオープンした「大和ミュージアム」は,予想された入場者数をはるかに上回る人が訪れたという。呉の街はあまり人が多くなく,少々寂しい感じがするものの,わりとこざっぱりとして見えるし,山が迫っているので,見晴らしのよい場所もある。海には多くの船舶も見られ,なにかおもしろい写真を撮ることができそうな気がする場所である。しばらくは,観光客が多く訪れて混雑があるかもしれないが,落ち着いたころには,なんどか通って,写真を撮ってみたいと思ってしまう街である。

OLYMPUS XA2, GOLD200

もし,「男たちの大和/YAMATO」の時代に,この街を,カメラをもってうろうろして,こんな写真を撮っていたら,スパイ容疑をかけられてしまっただろうか?


← 前のページ もくじ 次のページ →