撮影日記


1999年07月26日(月) 天気:くもり

白いハスの花咲くころ

広島市内,平和祈念公園には,ときどき写真を撮りに出かける。たとえば,春のサクラ,冬の夕日など,これまで何度か狙ってきた。でも,どちらかというと,「さあ,今日はここで写真を撮るぞ」と気合を入れて出かけることは少ない。むしろ,カメラをもって散歩してみる,という気分の方が強いと思う。

ここしばらく,気になっていたものは,道標である。特に,レストハウス(被爆建物として保存を望む声が高い)の道路の向かい側にある道標がけっこうお気に入りだったりしていた。
 最近は,そこから少し離れて,「原爆の子の像」を被写体に選んでいる。このモニュメントには,被爆の影響で白血病にかかった少女が,全快を信じて折り鶴を作りつづけた,という物語がある。これは,多くの人の心に刻みこまれることだろう。写真の被写体としては,絵ハガキ的に正面からどどーんと撮っても,たいして面白くないと思っている。周囲に具えられた折り鶴を前景に配置し,こどもの像がその向こうで飛躍しているように構図を作るのが,このモニュメントの意図にも近く,また色彩的にもおもしろくなると思っている。

「原爆の子の像」は,観光客の見学場所にもなっており,ときどき団体さんが集まってくる。そういう光景を目にするたびに,平和祈念公園が1級の観光地であることも認識するのだった。
 団体さんが多くくると写真を撮りにくいので(これ幸いと,バスガイドさんを盗撮する人もいるかも知れないが),「平和の鐘」の方へ行ってみた。ここには普段,あまり近づかない。そのため,「平和の鐘」の周囲に,ハスが咲いていることなど,今まで気が付かなかったものだ。
 なんとなくうれしくて,ハスをいろいろ撮っていると,ここにも団体さんがやってきて,追い出されてしまった(笑)

EXA, JENA T 50mm F2.8, 1/150sec, F5.6-8, HDC100plus


← 前のページ もくじ 次のページ →