撮影日記


1999年07月23日(金) 天気:くもり

化石最中

岡山県の成羽町というところは,中生代の地層が分布しており,化石の産出も多い。町の中心部に「成羽町美術館」があるが,ここには「化石展示室」もあり,地元で産出した化石の展示を中心に,地球の歴史を解説している。
 ちょうど,7月20日から成羽町美術館において,広島大学名誉教授である沖村先生がシルクロード地域で採集された化石や各地の民具などのコレクションの展示が開かれている。すべて貴重なものなので,ぜひ一度行ってみることをお勧めしたい。
 ただ,問題は,成羽町がちょっと不便な場所にあることだ。広島から行くなら,山陽自動車道を福山東ICまで走り,国道182号線から313号線を進めばよい。福山東ICを降りてから,1時間も走れば国道沿い右側に成羽町美術館が現れることだろう。

となりの備中町では,大事件が起きている。突然の地面陥没だ。原因についてさまざまな説が提示されている。たとえば,この地域は,カルスト地形の上に新しい地層が堆積した構造になっており,地下にある未知の大規模な鍾乳洞に土砂が流れ込んだのではないか,というものだ。ボーリング調査の結果は,すぐ地下に深くまで石灰岩の層があるという結果を示しているらしい。
 成羽町美術館を訪れたときに,この現場も案内していただけたが,大きく開いた穴のようすは,たしかにまるで鍾乳洞である。もっとも,大学時代あまりまじめに勉強しておらず(^-^;,しかもフィールドを何年も離れている私には,あまり詳しいことはわからないm(__)m
 最近のお気に入りカメラは「エクサ」だが,この日は確実に写真を撮りたかったので,すなおにニコンF−601を持っていった。

成羽町美術館が面している国道313号線の1本裏通りは,商店街になっている。訪れたのは休日だが,人通りがほとんどなく,寂しい。その中にある菓子店で,成羽銘菓「化石最中」というものが売られている。最中の表面に,成羽地域でよく見られる化石が描かれているものだ。味の方も,なかなか上品なので,訪れた際には買って帰るといいだろう。
 そもそも一眼レフは,接写や超望遠撮影といった特殊用途のカメラと考えられていた。一眼レフで,アイレベルファインダー,クイックリターンミラー,完全自動絞りという3つの新技術が実現するまで,主流は距離計連動ビューファインダーカメラだったのである。私の「エクサ」は,これら3つのどれも満たしていない。そこで,一眼レフならでわの撮影をしようと,レンズの最短撮影距離付近で「化石最中」を撮ってみた。

EXA, JENA T 50mm F2.8, NEOPAN SS


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