撮影日記


1998年10月12日(月) 天気:あめのちくもり

КИЕВを買った

二重像合致式距離計をもったカメラが欲しい,ということは,何度もここに書いてきたと思う。最近,フジカGERというコンパクトカメラを800円でジャンクコーナーから発掘した。そのカメラが二重像合致式距離計を内蔵していたからである。
 しかし,どうせならレンズ交換も可能な,フォーカルプレーンシャッターのカメラがほしいところだ。できれば,ニコン様のS2あたりが欲しい。しかし,それは極めて高価である。

ところで,ブームは下火になったようだが,一時期,ソ連製カメラ(いわゆるロシアカメラ)が流行っていたようだ。ライカを模倣したものやその改良型で,Lマウントのレンズが使える安いボディとして,注目を集めていたようだ。たとえば,「フェド」や「ゾルキー」などが有名である。「フェド」は1990年まで製造されていたらしく,大阪などでは新品の在庫を持っている店もあるようだ。価格も安く,2万円以内で買える。
 さて先日,大阪に行ったときに,いわゆるロシアカメラの購入に踏み切ることにした。目当ては,やはり「フェド」である。最近の5Bなどでもいいのだが,新しい「フェド」は,あまりカッコよくない。お店でいろいろと見せてもらったうちで,「フェド1型」が,まさにバルナックライカを模倣したスタイルでカッコイイのだ。なんといっても,小さい。レンズも沈胴式で,さらにコンパクトである。
 お店の方によれば,いわゆるロシアカメラは1台ずつ自分でさわって,納得のいくものを買ってほしいという。それだけ,状態のよいものが残っていないということだろう。いろいろとお話ししていただきながら,1台1台チェックしていくが,シャッターがちゃんと動いていて,距離計でちゃんと無限遠がでるものが2台しか残らなかった。どちらも「フェド1型」のようだ。さらに調べてみると,1台はシャッター幕が少し波打っている。これで,購入するものは決まった。そのとき,お店の人が革ケースを倉庫からもって帰ってきた。ただ私は,うっとおしいので革ケースは使わない。そのとき気がついた。
 「フェドには,ストラップを取りつけるための金具がない!」

ストラップなしでは使いにくいなあと思って顔をあげると,そこに「キエフ」の姿があった。これはコンタックスを模倣した(単に模倣したというのでは,言い方には問題があるようだが)ものとして有名なカメラである。マウントがLマウントではないので,検討対象からはずしていたのだが,これにはストラップを取りつけるための金具がついていたのである。しかも,コンタックスを模倣しているということは,ニコン様のSシリーズに外見だけはよく似ているのだ。
 結局,お店にあった「キエフ」を1台ずつチェックし,シャッターと距離計が使える状態にあった,1980年式の「キエフ4M」を選んだ。ただし,シンクロ接点がショートしていて使えない。


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