撮影日記


2017年03月05日(日) 天気:くもり

マウントアダプタ遊びなら やっぱりミラーレス?

近所の「カメラのキタムラ」に,この写真(2017年2月28日の日記を参照)のプリントを依頼した。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

Kodak DCS Pro 14nで撮影したRawデータをKodak DCS Photo Deskで調整している。上の画像ではホワイトバランスを「プリセット」,色温度は5500K,ライティングは「デイライト」でJPEGに変換したものである。このときのRawデータのホワイトバランスを「オート」にしてJPEG変換すると,下のようなややくすんだ感じの画像になる。どちらの画像も,画像のルックのプロファイルは「Kodak DCS Wedding Look」(高コントラスト,高彩度,自然なシャドー部を再現),露出補正は-0.5EVにした。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

このデータをプリントすると,当然ながらややくすんだ感じの色の写真としてしあがってくる。しあがった写真を眺めていると,くすんだ感じの色が気になるが,適当な額縁にセットして窓辺などに置いておくと,ごく自然な色合いに感じるものである。画像データの色は,どんな感じに調整すればよいのか,実際にプリントして置いてみないとわからないものだ。
 つぎの機会には,上のほうの画像もプリントして比較しよう。

「カメラのキタムラ」でプリントを受け取ったあと,ついでに中古カメラのショーケースを覗くのは,習慣みたいなものだ。とくに欲しいものがあろうとなかろうと,関係ない。強いて言えば,Nikon F100とのよい出会いがあればいいかな,とは思っている(2017年1月29日の日記を参照)。だからと言っていまは,Nikon F100との出会いを積極的に求めているわけではない。だからショーケースを漫然と眺めるのだが,そのかわり隅から隅まで,なにかおもしろそうなものがないかと眺めることになる。
 すると,おもしろそうなものを見つけてしまうのである。

SONYのαNEX-C3という,レンズ交換式のディジタルカメラである。レンズのない状態では,撮像素子がむき出しになっている。いわゆる「ミラーレス」とよばれるタイプの,ディジタルカメラである。値札に記載されていた価格は,たまっていた「Tポイント」に少し追加するくらいの,安価なものであった。Tポイントは約2年前にいちど使い切っている(2015年6月22日の日記を参照)ので,その後にたまった金額などたかがしれていることは,察していただきたい。安価だったのには理由があり,液晶モニタ表面のコーティングが傷んでいる。だが,像を確認できないようなものではないので,連れて帰ることにした。たぶん,液晶保護フィルムなどを貼れば,気にならなくなるだろう。

かつて,一般にふれる機会の多かったカメラは,大きく2種類にわけることができた。
 一眼レフカメラと,それ以外である。
 もう少し具体的に言えば,「一眼レフカメラ」と「コンパクトカメラ」である。両者の違いの本質は,ファインダーのしくみにある。ファインダーで見ることのできる像が,「一眼レフカメラ」の場合は撮影レンズでつくられるのに対し,「コンパクトカメラ」の場合は撮影レンズとは異なるレンズによってつくられている。したがって,「一眼レフカメラ」では,フィルムに写るはずの像をファインダーで確認できる。このしくみを実現するために,「一眼レフカメラ」では,フィルムの前に鏡が置かれ,撮影レンズを通ってきた像がファインダーに導かれる。フィルムに露光するときは,鏡をはねあげて,フィルムに像を結ばせる。「一眼レフカメラ」の「レフ」は,「レフレックス(反射)」を意味しており,鏡を使ってファインダーに像を結ばせることをあらわしている。
 「ミラーレス」とよばれるタイプのディジタルカメラは,撮像素子に結ばせた像を常時,液晶モニタに表示させておくことができる。そのため,鏡でファインダーに像を導く必要がない。そこから,「ミラーレス」という名称が使われるようになった。メーカーなどによっては,「ミラーレス一眼」とよばれたり,「レフ」を使わずに「一眼カメラ」とよばれたりすることもある。呼び名に「一眼」という単語を含ませることにこだわるメーカーがあるのは,交換レンズなどが充実した「一眼レフカメラ」のイメージを利用したいのであろうと,想像する。
 「ミラーレス」とよばれるディジタルカメラは,ディジタルカメラの特徴を生かした優れたシステムであると高く評価したい。ただし,「ミラーレス」や「一眼カメラ」などの呼び名については,カメラの本質を誤解なくうまく表現しているとは思えないし,「一眼レフカメラ」のイメージを利用しようと感じる点には嫌悪感さえ抱く。だから個人的には使いたくない呼び名であるが,すでに世間では「ミラーレス」が定着しているようなので,使わなければしかたない(2012年7月29日の日記を参照)。なお業界の統計では,「レンズ交換式」のディジタルスチルカメラを「一眼レフ」と「ノンレフレックス」にわけて扱っており(2016年12月30日の日記を参照),「ミラーレス」という呼び名は使っていない。

「ミラーレス」とよばれるレンズ交換式のディジタルカメラは,いろいろなメーカーからいろいろな規格のものが発売されている。おもなところでは,PanasonicやOLYMPUSが発売する「マイクロフォーサーズ」というシステムがある。「マイクロフォーサーズ」システムでは,17.3mm×13mmの大きさの撮像素子が使われる。何度か購入を考えたことのある「Nikon 1」シリーズ(2012年4月24日の日記を参照)では,13.2mm×8.8mmの大きさの撮像素子が使われる。これらはディジタル一眼レフカメラで多く使われるライカ判サイズやAPS-Cサイズよりも小さいもので,カメラ全体の小型化に大きく影響する。これに対して,SONY αNEX-C3の撮像素子は,ディジタル一眼レフカメラでも多く用いられているAPS-Cサイズ(23.5x15.6mm)のものである。
 さて,このたび購入したものは,SONY αNEX-C3ボディのみである。残されていた箱は「ダブルレンズキット」のものであり,バッテリー,充電器,フード,フラッシュ,ストラップや説明書,ソフトウェアなどの付属品は揃っているが,交換レンズは1本も残されていない。

ボディがあってもレンズがなければ,撮影はできない。SONY αNEX-C3のレンズマウントは「Eマウント」と称しており,従来の一眼レフカメラのαシリーズのものとは異なっている。すでに入手しているレンズを,そのまま流用することもできない。
 ところで,「ミラーレス」のシステムの特徴として,「鏡」を使わないことからフランジバック(レンズマウントと撮像素子との間の距離)をきわめて短くすることができることがある。つまり,「ミラーレス」ディジタルカメラには,マウントアダプタを利用しやすいという特徴がある。
 こんどこそ,「M42マウントのレンズを使うためのマウントアダプタ」を購入しなければならなくなったのである。

FOTODIOX Pro ZE-EOSをいただいた(2016年6月28日の日記を参照)がために,Canon EOS 10DPENTAX K100DそしてSONY αNEX-C3と,どんどん手を広げてしまっている。どうして,こうなったんだ?(笑)


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