撮影日記


2017年03月04日(土) 天気:はれ

いま,歴史が動いた
路線復活!「あき亀山」開業

今朝早く,5:08に「あき亀山」駅を1番列車が出発した。JR可部線の「可部」駅から「あき亀山」駅までの区間が,開業したのである。この区間は,2003年11月30日をもって運行が終了し,廃止になった区間の一部である。今日の開業区間は,廃止になった区間のごく一部にすぎないが,いちど廃止になったJRの鉄道路線が「復活」したのは紛れもない事実である。広島という地方都市の,さらにその中心部ではないところで鉄道の路線が復活したという事実は,注目に値するできごとである。
 大都市圏や新幹線を除くと,鉄道の開業は珍しい出来事といえる。このような日には,鉄道のマニアが多く訪れるだろうし,地元はそれこそお祭り騒ぎになっていることだろう。激しい人混みが予想できるので,しばらくして落ち着いてから,開業区間を訪れるつもりだった。
 直前になって,遠方に住む人から「開業当日に乗りに行きたい」という連絡をいただいた。その人は,前日に糸魚川を訪れてから,広島に来られるという。一番列車は5:08に発車するが,8:40頃から「出発式」があり,9:30頃から「開業記念式典」が予定されていることを伝えたところ,糸魚川から夜行バスで大阪に移動し,大阪から朝一番の「みずほ」で広島に来られる,という。それならば,8:40頃からの「出発式」に間にあうことができる。

ともあれまずは,広島駅にお迎えに行くことにした。

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はじめて目にする「あき亀山」という行先案内は,新鮮に感じるとともに違和感もある。しかし,今日からはこれが日常の光景となる。昨夜までは「可部」という表示が日常の光景だったが,それはもう過去にしか存在しない光景となった(2017年3月3日の日記を参照)。

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「広島」駅で無事に合流し,7:42発の電車に乗る。「あき亀山」駅には,8:32に到着する。

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乗っていったその列車の折り返しが,8:40頃からの「出発式」対象の列車になった。ホームの上にはすでに,式典の出席者などの関係者や報道陣が多くいた。
 到着した列車から降りるとごく自然に,その集団のなかにはいっていくことになる。邪魔になりそうにないところまで下がって,そのまま折り返していく列車を見送った。

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「あき亀山」駅の前に出てみれば,開業記念式典の準備ができている。くす玉の近くには,すでに多くの人が詰めかけている。

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9:30には予定通り,「開業記念式典」がはじまった。式典そのものは駅前広場に設けられたテントのなかでおこなわれており,私の立ってる場所からなかをうかがい知ることはできなかった。ただ,出席者のスピーチが延々と続く。10:30ころになってスピーチ等が一通り終わり,テープカットおよびくす玉開披がおこなわれた。
 「開業記念式典」というものに立ち会ったのは,はじめてのことである。

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開業した区間は,ごく短いものである。東京や大阪といった大都市ではなく,広島という地方都市のしかも中心部からはずれたところでのできごとだ。混雑していたとはいえ,そんなに広い場所ではないから,その場にいた人数も,さほど多いものではないだろう。全体としてこぢんまりしたものだったが,これは,鉄道が見直されるあたらしい時代のきっかけとなるのかもしれないできごとである。きっと後世の人によって,この日が「偉大なる第一歩」として評価されるようになるはずだ。
 ともあれ今日,あたらしい鉄道路線が開業した。「あき亀山」駅に向かう列車は,あたらしい日常の光景になるのである。

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なお,「あき亀山」駅に掲げられていた横断幕に描かれていた「でんしゃ」は,なにをモデルにしたものなのか,いまひとつよくわからない。ボディが黄色であることからは,今後の主力になると思われる227系ではない。正面の窓の形も加味して考えれば,従来から使われてきて順次,黄色に塗り替えられている113系/115系車両をモデルにしたものだと考えられる。しかし,行き先表示器が上部中央にあってそれが使われていることや裾が絞られていないシルエットからは,105系車両であるようにも思われる。一方で,ヘッドライトがごく低い位置に描かれていることや,赤いラインがあることは,227系がモデルとも考えられる。
 つまり,可部線を通ることのあるこれらすべての車両の特徴を,少しずつ合体させたものであるのかもしれない。
 さて,実際はどうなのであろうか。

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