撮影日記


2016年09月11日(日) 天気:曇

カープ優勝の翌朝 電車も赤くなった

フジ「連写カルディア・ビューン」は,8コマの連続写真を撮影できるカメラである。報道等で使われる連写カメラでは,強力なワインダーによってできるだけ速くフィルムを巻き上げることで,高速連写を実現している。それに対して「連写カルディア・ビューン」では,正面に8個のレンズが並んでおり,その前をシャッターが高速で移動し,いわゆるパノラマフォーマット(36mm×13mm)の2コマ分の画面に4コマずつ合計8コマの画像を写しとることで,高速連写を実現している。フジ「連写カルディア・ビューン」は1991年10月に発売され(*1),1992年度のグッドデザイン賞を受賞している(*2)。

昨夜,2016年9月10日に,プロ野球チーム「広島東洋カープ」は25年ぶりにリーグ優勝した。
 25年前,1991年の秋(10月13日)に,カープが6度目のリーグ優勝をした。フジ「連写カルディア・ビューン」は,ちょうどそのころに,発売されたのである。なお,上で紹介したフジ「連写カルディア・ビューン」の正面には,カープのマスコットキャラクタである「カープ坊や」が描かれている。このバージョンの「連写カルディア・ビューン」が発売された年月については,確認していない。カープ坊やの姿から見れば,1991年の優勝を祝っているようにも見える。だが,もしこの優勝を記念したものであれば,「1991年 V6」などの文字があってもよさそうだ。

ともあれ,カープの25年ぶりの優勝は,じつにめでたいことである。カープが勝った翌日は,広島の街はいつもより元気である。ましてや,リーグ優勝である。街のいたるところに,優勝を祝う文字がある。赤いものがあれば,それはほとんど,カープをあらわしていると思えばよい。そして,ふだんは姿をあらわさないところにも,「カープ坊や」があらわれる。
 たとえば,こんな場所だ。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

見えにくいかもしれないので,拡大してみよう。

電車の正面中央上部は,ふだんであれば「普通」「快速」など,列車の種別を表示するために使われている。最近の広島周辺のJR路線にはラインカラーが導入されている。路線によって,色分けがなされており,たとえば可部線であれば青色が使われている。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

ラインカラーを表示するためにフルカラー表示に対応したカラーLED表示器が設けられたのだが,優勝決定直後から「普通」の表示のかわりに「カープ坊や」が表示されている。それは正面だけでなく,側面の表示部分でも同様である。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

「カープ坊や」が表示されているのは,フルカラーLED表示器をもつ,新型車両227系だけである。
 ところでこの227系車両には,「Red Wing」という愛称がつけられている。シンボルカラーに「赤」を採用したのは,厳島神社の大鳥居や県の木であるモミジの紅葉,そして広島カープなど,赤が広島を連想する色だからということのようだ。
 広島で,赤いものを見かけたら,それはやはりカープ関連なのである。

*1 富士フイルムのあゆみ 1990年〜 (富士フイルム株式会社)
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/aboutus/history/ayumi/f1990.html

*2 35ミリレンズシャッターカメラ [FUJI 連写カルディア ビューン]|受賞対象一覧 (公益財団法人日本デザイン振興会)
http://www.g-mark.org/award/describe/19065


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