撮影日記


2016年03月01日(火) 天気:曇

もう1台の「マビカ」も動いた!
2本の接点には意味がある

「おまけ」の2インチフロッピーディスクをめあてに,2台の「電源が入りません」という状態のスチルビデオカメラを入手した(2016年2月28日の日記を参照)。2台のうち,電池ボックス部分にダメージが見られなかったSONY MVC-A10は,バッテリーを改造することで動作するようになった(2016年2月29日の日記を参照)。動作するようになったものの,再生アダプタMAP-T1を接続するとエラーメッセージが出る。MVC-A10に問題があるのか,MAP-T1に問題があるのか。それを確認するためにも,残ったもう1台,SONY MVC-C1もなんとか動くようにしたい。

MVC-A10も,MVC-C1も,電池ボックスの構造は同じようだ。MVC-A10のほうは,ここにダメージが見られない。

一方,MVC-C1はこの部分のダメージが激しい。MVC-A10では,+側と−側それぞれに,2本ずつの接点があるのがわかるが,MVC-C1のほうはこの接点が激しく腐食していた。左右とも1本は根元あたりしか残っておらず,残るものも表面が激しく腐食している状態だ。
 この接点を復旧させることができれば,詰め替えして再生したバッテリーをそのまま利用できるのだが,それは困難に思われる。そこで,残った接点に直接コードをハンダづけすることにした。この空間にはちょうど,CR123A型電池が2本入るので,適当なバネなどを使って,CR123A型電池を入れられる電池ボックスにすることにした。
 接点の腐食が激しいようで,表面にやすりをかけても,なかなかハンダが乗らない。できるだけ磨いてからコードを巻きつけ,そのうえにハンダを乗せるようにすることで,なんとか電気が通るようになった。

そして,CR123A型充電式電池をセット。電源スイッチをONにすると起動するが,一瞬の後に,バッテリーが消耗しているという警告が出てそのまま沈黙。以前,FUJIX DS-505A用バッテリーの詰め替えを試みたとき,1つ1つの電池をハンダづけしなければ,内部抵抗が大きくなってカメラが動作しないという例があった(2016年1月6日の日記を参照)。今回も,同じようなことだろうか?いいや,それは違う。MVC-A10の場合は,バッテリーパックのなかにさらに電池ボックスをつくったわけで,その場合よりは接触面が少ないのだから,問題ないはずだ。

では,じゅうぶんな電力を供給すればよいのだろうか。マビカ本体MVC-C1を再生アダプタMAP-T1に接続したところ,電源はちゃんとONになる。MVC-A10のときとは違って,エラーメッセージも出ない。コマ送りもできるし,消去もできているようだ。この点は,問題ない。
 しかし,おかしな点があった。
 再生アダプタMAP-T1は,そこにバッテリーをセットして充電器として使うこともできるし,バッテリーをセットしたマビカ本体を接続すれば,そこに充電することもできる。

再生アダプタMAP-T1に未充電のバッテリーがセットされていれば,上の画像のように,「ADAPTOR」側のチャージインジケータが点灯する。再生アダプタMAP-T1にバッテリーがセットされておらず,接続したマビカ本体に未充電のバッテリーがセットされていれば,「CAMERA」側のチャージインジケータが点灯する。両方にバッテリーがセットされている場合は,再生アダプタMAP-T1側のバッテリーが先に充電され,その充電完了後にマビカ本体側のバッテリーが充電される。
 改造したバッテリーをセットしたMVC-A10を接続したときは,ちゃんと「CAMERA」側のチャージインジケータが点灯したのだが,電池をセットしたままのMVC-C1を接続したときには,それが点灯しないのである。
 ここで,Kodak DCS460の内蔵バッテリーのことを思い出した。内蔵バッテリーからは3本のコードが伸びており,そのうち1本には逆流防止用と思われるダイオードが取りつけられている(2016年1月15日の日記を参照)。Kodak DCS460のバッテリーは本体に内蔵されており,ACアダプタを接続することでそこへ充電するようになっていた。これは,充電用の電力を受ける端子と,充電した電力を供給する端子とがわかれている,ということだ。
 もしかすると,MVC-C1も同じようなことなのかもしれない。+側と−側にそれぞれ2本ずつある接点の,1つは充電のための電力を受けるもので,もう1つは充電した電力を本体へ供給するためのものではないだろうか。本来のバッテリーをセットしたときは,その接点でここを短絡するようになっている。
 ということは,この接点を短絡しておけばよいのかもしれない。

予想は,正解だったようだ。
 接点の残っている部分をなんとかして短絡させたうえで,コードをつなぎ,電池ボックスを形作った。ここにCR123A型充電式電池をセットすれば,こんどはちゃんと電源がONになる。そして,撮影動作もちゃんとおこなわれている。どうやら,MVC-C1はちゃんと動作するようだ。
 ただし,残念なこともわかった。再生アダプタMAP-T1は,どうやら完全には機能していないようである。ACアダプタからの電力を供給すること,バッテリーに充電することは問題なさそうである。また,撮影したコマ番号を選択すること,任意のコマを消去すること,すべてのコマを消去することはできているようだが,画像を出力することが機能していない。肝心の映像信号が,出力されていないようなのだ。また,再生ボタンを押すたびに,選択したコマが「1」に戻ってしまう。

したがって,マビカ本体はMVC-A10もMVC-C1もいちおう動作しているようなのだが,ちゃんと撮影できているかどうかは,いまだに確認できないのである。


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