撮影日記


2016年01月06日(水) 天気:くもり

塩を吹いたバッテリーの殻を割れ!
FUJIX DS-505Aの復活へ

2015年に入手したカメラやレンズのうち,私にとってもっとも大きな影響があったものを1つだけ選ぶなら,それはやはり,FUJI FinePix S2Proである(2015年9月7日の日記を参照)。そして2015年のマイブームの1つに,「クラデジ」というものがあった(2015年9月10日の日記を参照)。2016年の早々に送られてきたFUJIX DS-505Aは,「フジのディジタルカメラはいい」「古いディジタルカメラもおもしろい」という流れに,ぴったりの1台である(2016年1月4日の日記を参照)。だから,なにがなんでも実用できるようにしておきたい。ACアダプタでの動作はほぼ問題なくなったから,つぎはなんとかしてバッテリーも復活させ,屋外での撮影ができるようにしたいところだ。
 しかしながら,塩を吹いてしまったバッテリーは,どう充電しなおしたところでもう復活させることはできない。メーカーのサポートもとうに終了している製品だから,新品のバッテリーパックを購入できるとも思えない。
 こうなると残された手段は,バッテリーパックのなかみを入れ替えること,のみ!
 バッテリーパックは1つしかないが,液漏れによって完全にダメになってしまっているので,分解することも惜しくないのだ。

ということで,まずはバッテリーの殻割にチャレンジである。バッテリーパックのつなぎ目は,たいていの場合,強力に接着されている。バッテリーパックの中身を交換することは,そもそも想定されていないのだ。また,バッテリーパックの分解は危険をともなう可能性のある行為であり,もちろんメーカーの保証対象外である。だから,以下の行為は,あくまでも自己責任でおこなうことになる。

FUJIX DS-505Aのバッテリーパックは,リチウムイオン電池やNi-MH電池(ニッケル水素電池)ではなく,Ni-Cd電池(ニッケルカドミウム電池,ニッカド)である。電圧は7.2V,容量は1200mAhなので,この大きさであることもふまえると,なかみは単3型あるいはそれに近い大きさの電池が6本入っていると予想できる。

バッテリーの殻割は,地道な作業だ。バッテリーパックのつなぎ目にライターオイルを垂らしながら,カッターナイフで少しずつ切りこみを入れていく。ここまで開くと,なかがどんな状態になっているのか,ようやく見えてくる。6本のセルが,直列になっていることがわかる。

やはり,なかの電池は盛大に塩を吹いていた。ここに,単3型のNi-MH電池6本が入ると好都合である。

しかし,残念ながらなかにはいっていた電池は,単3型電池よりやや太くて短い形状のものだった。長さが足りないので,単3型電池を縦に並べることは,無理である。

ということで,こんどは横に並べてみた。これはうまく入りそうに見えるが,このバッテリーパックは思ったよりも薄く(とくに上の画像で向こう側が,きゅっと薄くなっている),蓋が閉まらない。
 容量が小さくなってしまうが,単4型Ni-MH電池を使うことにした。

さて,なかに入れる電池だが,できるだけ安く入手したい。ダイソーで売られている「ReVOLTES」という名称のNi-MH電池を使うことにするが,それでも必要な数は6本,購入価格は648円(税込み)となる。単4型電池を使うカメラはあまりもっていないが(また,使うときにはすなおにアルカリ乾電池を使うのだが),せっかくだからFUJIX DS-505A専用ではなく,ほかのカメラでも兼用できるようにしておきたい。
 そこで,単4型電池用の電池ボックスを割った殻にはめてみると,面積的には余裕があるものの,厚みが大幅に増して,蓋がまったく閉まらない。だが,無理に蓋を使わずにそのまま,端を少し削れば問題なく使えそうに見える。

電池ボックスを利用してバッテリーパックをつくれば,充電の問題も解消できる。
 FIJIX DS-505A本来のバッテリーパックは,7.2V 1200mAhのNi-Cd電池で,専用の充電器(ACアダプタと兼用)も,その電池にあわせてつくられているはずだ。しかしながら,ダイソーの単4型「ReVOLTES」を使うと,7.2V 750mAhのNi-MH電池となり,特性が違うものになる。正常に充電できなかったり,充電中に過熱などの事故が起こる危険があるかもしれない。しかし,電池ボックスを使うことで電池を1個1個はずすことができるなら,充電は多少面倒になるものの,通常の充電器で安全に確実におこなうことができる。
 さて,このように削った電池ボックスを利用して,バッテリーパックを作成した。完成したバッテリーパックにフル充電した電池をはめて,カメラに装填した。電源スイッチをONにすると,見事に起動して,上面の液晶ディスプレイに露出モードやシャッター速度,絞り値,撮影可能コマ数などの情報が表示された。
 AFレンズを装着し,シャッターレリーズボタンを半押しする。レンズのピントリングが動いて,ピントがあう。明るさの違うほうへカメラを向けると,露出計の値も変化する。成功だ!
 喜びをかみしめつつ,シャッターレリーズボタンを押しこんだ。カシャ,…,…,カカカカ,クク,…。シャッター動作が途中でとまり,上面の液晶ディスプレイには「Err」(エラー)の表示である。カメラのトラブルか?ACアダプタにつなぎかえて電源スイッチを入れ直せば,カカカ,カシャっと音がして,正常な状態に戻った。そのまま試し撮りしたところ,正常に撮影されている。
 何度か繰り返しても,状況は同じである。

これは,カメラのトラブルではない。きっと,電源の問題だ。
 シャッターが動作し,撮影データを記録するそのときに,もっとも大きな電力が必要とされているはずだ。電池ボックスを使ったことで,無駄な電気抵抗が生じてしまったことが原因と考えられる。
 電池ボックスを使わずに,電池をハンダづけするしかなさそうだ。

繰り返すが,バッテリーパックの分解は危険をともなう可能性がある。同様のことを試される場合は,あくまでも自己責任でおこなっていただきたい。

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