撮影日記


2012年08月01日(水) 天気:晴

夜景を撮るならディジタルカメラ
しかし漕伝馬は暗すぎた

「住吉神社」というものは,全国各地に多数ある。「住吉神社」は「海の神」を祀るものであり,航海の安全などが祈られることになる。もっとも有名なものは,大阪市にある「住吉大社」であることはいうまでもない。そもそも,全国にある「住吉神社」の総本社とのことだ。その所在地は「住吉区」という地名にもなっており,日本全国に「住吉」という名は多数あれども,特記がなければ大阪市住吉区をさすことになる。現在,住吉区の西側には住之江区という別の区があり,住吉大社は海から遠いところにある。「海の神」が海から遠いところに祀られるのはおかしいかもしれないが,かつては住吉大社の近くまで海が広がっていたという。その後,大和川の付け替えの影響や埋め立て工事等で陸が広がり,住吉大社は内陸部の神社になってしまったということだ。また,「住吉」は古くは「すみよし」ではなく「すみのえ」と読まれていたとのこと。住吉区の西側,より海に近い地域が住之江区という名称になったのは当然のことということになる。なお,住吉区の東側の地域は,安直に東住吉区という名称である。

広島市内にも「住吉神社」がある。場所は,中区の吉島。吉島という地域は,その名に「島」が含まれていることが示すかのように,かつては島(というか中州)のような場所だったという。ここも,川による土砂の運搬や埋め立て工事等によって,しだいにちゃんとした陸になっていった。広島の住吉神社も,つまりは海岸地域にあったということになる。
 海に関係する神社では,「船渡御」とよばれる,ご神体等を船に乗せて航行するという神事が執りおこなわれる。広島の住吉神社でも古くから,手漕ぎの伝馬船で執りおこなわれていた。しばらく中断していたものの,昨年からふたたびおこなわれるようになったとのこと。
 今日は,住吉神社から相生橋を通り,平和大橋までを往復するコースで執りおこなわれる。住吉神社を18:00に出発し,20:30ころに戻るという予定とのこと。原爆ドームを背景に,相生橋から下ってくる漕伝馬船を撮ろうと考えた。原爆ドーム前を通過するのは19時台だろうと予測するが,一昨日の19時ころはまだ川面には十分な明るさがある。しかし,少し遅れると急激に暗くなるかもしれない。まだ,私はその神事を見たことがないので,どのような規模のものかもわからない。そこで今日は,すなおにNikon D70とAF-S DX Zoom-NIKKOR 18mm-70mm F3.5-F4.5Gを使うことにする。また,少しでも明るいレンズを使いたいので,手もとにあるAFレンズの中でもっとも明るい,AF NIKKOR 85mm F1.8Sも用意する。ただ,Nikon D70で使うと,さらに写角が狭くなるので注意が必要だ。

原爆ドームの対岸,川におりて低い位置から漕伝馬を狙おうと考えたのだが,そこではなにやらイベントの準備がすすめられている。そういう準備をしているところで,いつ来るともわからない漕伝馬を,カメラを構えてじっと待つのは少々つらい(笑)。そこですなおに,川岸の上で待つことにする。なお,準備されていたイベントは,このようなものだった。

個人的には趣旨がいまひとつよく理解できなかったのだが(^_^;,川岸にはLEDを内蔵させた折鶴を,水面にはやはりLEDを内蔵させた浮きを並べ,原爆ドーム前の元安川を天の川のように光らせようとするものらしい。開始は20:00からとなっているが,川岸にはすでに点灯している折鶴が次々に並べられていく。おそらく水面のほうは,帰路の漕伝馬の通過を待って発光させるのだろう。それが20:00ころの予定ということなのかもしれない。しかし,できれば日をずらしたほうがよくなかったか?とは思う。
 やがて,遠くから太鼓の音が聞こえてくる。そして,相生橋のところを曲がって,漕伝馬がやってきた。

Nikon D70, AF-S DX Zoom-NIKKOR 18mm-70mm F3.5-F4.5G

やはりこういうものは,低い位置からできるだけ側面を撮るのがカッコイイようだ。こういう構図は,客観的過ぎて迫力がなく,少々マヌケに感じられる。時刻は18:50ころ,まだ周囲が明るすぎて,雰囲気もあまりない。残念である。
 しかし,船の規模もわかったので,帰路に期待することにした。その間,川岸に並べられた折鶴を撮りながら待つことにする。

Nikon D70, AF-S DX Zoom-NIKKOR 18mm-70mm F3.5-F4.5G

ディジタルカメラは,こういうものを撮りやすくて,実に好都合である。

Nikon D70, AF-S DX Zoom-NIKKOR 18mm-70mm F3.5-F4.5G

そして20:00をすぎたころ,ようやく漕伝馬が帰ってきた。しかし,こんどは川面が暗すぎて,写すことができない。感度を上げることができるディジタルカメラに明るいレンズを組みあわせても,さすがにこれには無理がある。
 漕伝馬の撮影は,来年以降の課題としよう。
 漕伝馬が通過したら,川面に青く光る浮きが並べられはじめた。その川面もきれいかもしれないが,私はほかに気になるものがあった。ちょうど,月がのぼってきているのである。月が原爆ドームの上に見える位置をさがし,そして撮影。こういうものが手持ちで撮影できてしまうのは,ありがたい。

Nikon D70, AF-S DX Zoom-NIKKOR 18mm-70mm F3.5-F4.5G

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