2009年07月24日(金) 天気:大雨
1000mmレンズで部分日食を撮る
昨日の日記の続き。
「てるてるぼうず」様への祈りが効いて,日食当日はなんとか雨が降らないようになった。その前後が大雨続きになったので,まさに奇跡的な晴天だったといえるだろう。
また,撮影用の減光フィルタの準備もできた。
ところで,私がもっている1000mmレンズは,ヤシカMLマウントのものだ。そのレンズの使えるボディは,やはりいただきもののCONTAX RTSしかもっていない。CONTAX RTSは,Carl Zeiss銘の定評あるレンズが使える充実したシステムをもち,カメラとしての使い勝手もよく考えられているとてもよい製品であると思う。その一方で,残念ながら,故障しやすいという風評もある。実際,私の手もとにあるCONTAX RTSも,巻き上げの機嫌が悪かったことがある。そういう状況なので,これ1台に頼るのは少々不安だ。
そこで,バックアップとして,ニコンF70とReflex-NIKKOR 500mm F8も用意することにした。2つ分の「ND400」を買うとなると出費もばかにならないから,ネオパンSSでフィルタの代用ができるととても財布にやさしいのである(笑)。
CONTAX RTSとSIGMA MIRROR TELEPHOTO 1000mm F13.5。 レンズには,真っ黒に露光したネオパンSSをフィルタとして貼りつけた。
9時40分を過ぎた。そろそろ,日食がはじまるはずである。「日食メガネ」を通して肉眼で見る太陽は,まだ,欠けたかどうかわからない。1000mmレンズの像をファインダーで確認すれば,右上の曲線が少しずついびつになってくる。像をファインダーの中心近くに移動させているうちに,そこがはっきりとした「欠け」にかわっていった。
太陽の前には,薄いながらもまだかなりの雲がある。その雲を通して,太陽は欠けた姿を見せていた。
欠けはじめて数分後の状態。まだ,薄い雲に覆われている。
CONTAX RTS, MIRROR TELEPHOTO 1000mm F13.5, DNP CENTURIA100
雲はしだいに薄くなり,やがて太陽の像が鮮明に見えるようになってきた。
欠けはじめて約30分後の状態。
CONTAX RTS, MIRROR TELEPHOTO 1000mm F13.5, DNP CENTURIA100
これらの露出は,カメラまかせ,AEである。CONTAX RTSの露出計は,中央部重点測光。ややオーバー気味ながらも,妥当な露出になっているといえるだろう。ネガカラーを使用していることから,オーバー気味の露出でもなんとか救われている。また,雲に覆われている状況であれば,オーバー気味のほうが雲の存在がよくわかって,おもしろい絵になったように思う。
ただ,残念ながら,クリアな視界は長続きしなかった。ふたたび雲は厚くなってきたのである。ただ,雲の流れが速く,厚い雲の切れ目から,太陽はときおり明瞭な姿を見せる。
最大食分ごろの状態。雲が厚くなってきた。
CONTAX RTS, MIRROR TELEPHOTO 1000mm F13.5, DNP CENTURIA100
最大食分(太陽がもっとも欠けた状態)を過ぎたころから,厚くなった雲の切れ目が少なくなってきた。厚い雲は空一面に広がっている。相変わらず,雲や速く流れているものの,すっきりとした晴天にはなりそうもない。
Nikon F70とReflex-NIKKOR 500mm F8。 レンズには,真っ黒に露光したネオパンSSをフィルタとして貼りつけた。
バックアップ用のNikon F70でも何枚か撮ってみた。スポット測光が利用できるので,今回のような撮影には適しているかもしれない。とはいえ,スポット測光モードでのシャッター速度は「Hi」となり,露出オーバーであることを示している。テレコンバータを併用して,1000mm F16のレンズとして使ったほうがよかったかもしれない。
欠けはじめて約30分後の状態。
Nikon F70, Reflex-NIKKOR 500mm F8, REALA
最大食分のころ。
Nikon F70, Reflex-NIKKOR 500mm F8, REALA
じつは,このニコンF70は,最近,いただいたばかりのものである。撮影に使用するのは,この日がはじめてだった。
冷静に考えると。
はじめて撮影に使用するカメラをバックアップとして位置づけるなんて,CONTAX RTSに対してたいへん失礼なことをしてしまったような気がするのであった。ま,いいか。結果として,どちらもちゃんと写っていたのだから,細かいことは気にしない。
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