撮影日記 |
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2009年07月23日(木) 天気:はれ減光フィルタを準備する昨日の日記の続き。 昨日は,広島でもかなり規模の大きな部分日食を見ることができた。 4年半前のこと,1000mmの超望遠レンズ(SIGMA MIRROR TELEPHOTO 1000mm F13.5)をいただいたことがある(2005年1月16日の日記を参照)。反射光学系のもので1000mmという焦点距離のわりにはコンパクトなレンズであるが,F13.5というたいへん暗いレンズである。特殊なレンズでもあり,使いあぐねていたものであるが,あるとき,「1000mmレンズをもっているなら太陽を撮れ。」という助言をいただいた。ためしに夕陽を撮ってみると具合がいい(2005年2月27日の日記を参照)。 太陽を撮るために必要なものがある。それは,強烈な太陽の光を減光するためのフィルタである。夕陽の撮影であれば,太陽の位置は低く,大気の影響でかなり減光されるので,フィルタがなくてもなんとか写すことは可能である。しかし,今回の日食は,お昼前に起こるもの。太陽の位置は高く,また,たいへん明るい状態である。したがって,なんらかの減光をおこなわねば,完全に露出オーバーになってしまう。 このような用途のフィルタとして,ND400というものがある。このフィルタは,光量を1/400(9絞り)に落とすことができるものだ。まさに,太陽撮影の必需品といえそうなものである。 82mm径のフィルタをジャンクコーナーなどから安価に発掘できれば,「すすガラス」をつくる(1997年3月9日の日記を参照)ことも可能になるが,そう都合よくはみつからない。そこで,20年以上前に使用期限の切れている,5×7判のネオパンSSを使うことにした。これを真っ黒に露光して現像,定着したものを,フィルタとして利用することにしたのである。 これをレンズの前面に貼りつければ,撮影準備完了である。 なお,太陽を肉眼で観察するためには,このような「日食メガネ」というものが市販されている(*2)。眼の部分に特殊なフィルタが使われており,可視光線だけではなく,紫外線も十分にカットしているとのこと。これを使って太陽を眺めれば,眼を傷める心配が少なくなるというものだ。この「日食メガネ」は肉眼での観察専用のものであり,「日食メガネ」をかけているからといって,太陽を望遠鏡や双眼鏡などで覗いてはいけない。そのあたりの使い方については,説明書をよく読むべし。また,日食の観察方法について,国立天文台のウェブページ(*3)も参考になる。 *1 http://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/filter/4961607152263.html *2 http://www.vixen.co.jp/se/solarprotec.htm *3 http://www.nao.ac.jp/phenomena/20090722/obs.html |
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