撮影日記


2004年07月18日(日) 天気:晴ときどき曇

この世は3D

ステレオ写真

目は左右に1つずつ,2つある。そして,物を見るときは,左右の目で少しずつ違った角度から同時に見ている。この角度の差は視差とよばれ,立体を認識できる理由の1つとされている。左右の目それぞれで,視差のある2枚の写真を見れば,立体的な画像を認識することができる。このような写真は,ステレオ写真とよばれている。
 ステレオ写真は,左右の写真を2枚並べて見る。左側の写真を左目で,右側の写真を右目で見る方法は平行法とよばれる。平行法は,簡単なビューワーを入手(自作してもいいだろう)すれば容易に見ることができるし,ビューワーを使わない裸眼立体視も,習得が容易である。ただし,大きな写真を裸眼立体視することはできない。逆にして,左側の写真を右目で,右側の写真を左目で見る方法は交差法とよばれる。平行法にくらべて習得が難しいが,大きなサイズの写真でも裸眼立体視が可能である。

ステレオカメラ

ステレオ写真を撮るには,左右の目それぞれに相当する2枚の写真を同時に撮ればよい。カメラを2台ならべて撮る方法もあるし,1台のカメラで,位置を少しずつすらして撮る方法もある。地形の観察などでは,上空から撮影した写真を立体視しておこなう方法もあるが,これは1台のカメラで撮ったステレオ写真の例の1つである。
 ステレオ写真は,ときどき大ブームが起こるようである。1950年代のブームのころには,35mm判フィルムを使ったリアリスト判とよばれるステレオ写真の規格がかなり普及したようである。当時のステレオカメラは利用も入手も容易なので,ステレオ写真を撮りたいときは,そういうカメラを入手してみるのがよいだろう。
 画像のカメラは,コダック製のステレオカメラで,ピント調整は目測式である。一般にステレオ写真はパンフォーカス気味に撮る方がよいので,十分に絞りこんで撮ることになる。ファインダー内には水準器が見えるようになっており,水平をあわせやすくなっている。

なんでもステレオで撮ってみよう

ステレオ写真は,立体感が強調されてみえる。そのせいか,なにげない風景を撮っても,たいへん印象的な写真に見えることがある。ただし,立体効果がよく見えるような被写体を選ぶ必要がある。被写体をよく観察して選ばなければならない点は,普通の写真と同じである。しかし,普通の写真ではあまり印象にも残らないような,そういう光景でも,ステレオ写真にすれば,たいへん印象的になることがある。これが,ステレオ写真の大きな魅力と言ってもいいだろう。
 ステレオ写真に適した被写体は,まずなんといっても奥行きのあるものである。たとえば右の例は,左側の人が手前に,右側の人が奥になるようにし,全体が斜めに配置されるように撮ることで,奥行きを得ている。さらに,背後の樹木が近いところにあるので,この枝ぶりにも立体感があらわれていたりする。
 さぁ,身近な光景を,なんでもステレオ写真で記録しておこう。


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