撮影日記


2004年07月19日(月) 天気:晴

どこでうまれたんだろう?

MF-7000DVというカメラ

5月の写真展のときにご来場いただいた方に,1台のカメラをいただいた。いまさらではあるが,ここに感謝の意をあらわしたい。
 いただいたカメラは,メーカー名などが書かれていない。ただ,型番らしきものが,グリップ部に書かれている。

MF−7000DV

そのカメラは,一見すると,一眼レフカメラのようなスタイルをしている。しかし,実際には,一眼レフカメラではない。シャッタースピードは固定,ピントも固定で,ボディ全体がプラスチック製の,おもちゃのようなカメラである。
 しかし,ただのおもちゃカメラではなさそうである。おもちゃカメラは,背面のノブでフィルムを巻き上げるようになっているものが多いが,このカメラはフィルムの巻き上げおよび巻き戻しをモーターでおこなうようになっている。電池がなければ動作しないのである。
 メーカー名のようなものは書かれていないが,レンズに「Made in Japan」という文字が見える。さて,このカメラは本当に日本製なのだろう?この「文字列」には,とくに意味はなく,単なる「デザイン上のアクセント」と考えられていたりしないだろうか?さらに不思議なことは,付属していたキャップに,ソ連のKMZのようなマークがついていたことである。

特徴

それでは,このカメラの機能を,1つ1つ見てみよう。
 
★スタイル
まずこのカメラのスタイルに興味を引かれる。一眼レフ風のスタイルをしているが,前面にファインダー窓があり,一眼レフではないことはすぐに気がつくだろう。ただ,全体的には,ミノルタ「α-7000」に似た雰囲気のデザインになっている(そういえば,このカメラの型番らしきものも「7000」だ)。
 
★ファインダー
このカメラのファインダーは,一般的なコンパクトカメラのようなビューファインダーである。さらに,外見で特異な点として,ペンタプリズム部に相当する場所の上部にスクリーンがあることが指摘できる。また,その前面にある不思議な窓が目立つ。この窓は,いにしえのペトリなどに見られたような,露出計のセンサ部のように思われるが,よく見ると,ペンタプリズム部上部のスクリーンに像を映すための,ファインダー窓であることがわかる。つまり,アイレベルとウエストレベルの2つのファインダーをもっているのである。
 
★レンズ
一見して,単玉のプラスチックレンズのように思えるが,詳細はわからない。鏡胴部先端にリングがあり,ピント調整ができるのかと期待するが,それは絞りを調整するリングである。絞りはF6.3〜F16が使えるように書いてある。また,焦点距離は50mmと書いてある。
 
★シャッター
どこにも調整するものがなく,単速である。カメラ本体に露出表が印刷してあり,フィルム感度がISO100で晴天であれば,絞りはF16を使えということになっているので,シャッター速度は1/100ないし1/200秒くらいなのであろう。レンズの絞り値が正しいのならば。
 
★巻き上げ・巻き戻し
モーターでおこなう。電源は,単3乾電池2本を必要とする。
 
★フラッシュ撮影
ホットシューがあり,ストロボが同調する。外光式のオートストロボを使えば,露出の正確な撮影が期待できるということだ。絞りの表示値が正しいのならば。

実際に撮ってみよう

ウエストレベルファインダーは,身の回りの景色を,なにげに撮るときに適していると感じる。しかもこのカメラは,ピントは固定,巻き上げも自動であり,露出は天気の安定した昼間なら,ほとんど固定したままで大丈夫だろう。事実上,フルオートで撮影できるわけである。
 このカメラは,一眼レフ風のスタイルをしているため,実際に持ち歩くとなると,大きさが非常に気になる。だから,カメラを持ち上げてアイレベルで撮影するには,少々抵抗を感じる。まあ,抵抗を感じる理由には,人目が気になるという要素もあるだろう。人目が気になるのは,いかにも「おもちゃ」なカメラを持ち歩いている気恥ずかしさもあるかもしれない。だから,ウエストレベルで撮ってしまう。
 描写について語ることが適したような性格のカメラではないが,あえて語ってみよう(笑)。まず,ピントが甘いような,もっとぼんやりとした描写を「期待」していたが,これはいまひとつ期待はずれであった。天気のよい日に,ISO200のフィルムを使ったために,絞りこんで撮影したからかもしれない。とはいえ,周辺部の歪曲や減光は,けっこうはっきりとあらわれているし,逆光には思いっきり弱いようだ。「おもちゃ」らしいレンズであることは間違いない。しかし,私が期待したものとは少しずれているのかもしれない。


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