撮影日記


2017年09月08日(金) 天気:晴

ハトは頭をふりふり歩く

IX-NIKKORは,APS一眼レフカメラ「PRONEA」シリーズ専用のニッコールレンズである。PRONEAシリーズ以外のカメラには装着できないようになっているが,簡単な改造を施すだけで,PRONEA以外のカメラにも装着できるようになる(2017年8月24日の日記を参照)。制約は残るものの,ごく小さく軽い望遠ズームレンズとして撮影に使うことができ,描写も実用的なものであるように感じた(2017年8月25日の日記を参照)。接写用のレンズではないので,被写体にあまり寄ることはできない(2017年9月2日の日記を参照)。
 そこで,接近できない被写体を撮ってみることにした。
 今日の被写体は,公園にたむろするハトである。

Kodak DCS Pro 14n, IX-NIKKOR 60-180mm F4.5-5.6

お昼休みなど,公園には休憩する人の姿を多く見かける。ハトは,人を恐れるそぶりも見せず,そのまわりをうろうろしている。ここのハトが人を恐れていないのは,ときどきハトに餌を与える人がいるからのようだ。近くには,餌を与えないようによびかける看板があっても,餌を与える人への抑止力にはなっていないようである。ともあれ,かなり近づかなければ,ハトは逃げない。ハトがなにかに驚いて飛び立つ瞬間を撮りたいなと考え,少し離れたところからハトを観察するが,一向に飛び立つ気配はない。

Kodak DCS Pro 14n, IX-NIKKOR 60-180mm F4.5-5.6

たまに,トラックやオートバイなどの爆音に驚くそぶりを見せることがあるが,それでも滅多なことではハトは飛び立たない。ただ,地面を走るのである。

Kodak DCS Pro 14n, IX-NIKKOR 60-180mm F4.5-5.6

だから,地面を走るハトを流し撮りしてみた。
 ハトが走るとき,その速さや向きは,必ずしも一定ではない。だから,流すタイミングをあわせるのも容易ではない。それでも,頭を前後に振りながら走っていることがわかる程度には,撮ることができた。

Kodak DCS Pro 14n, IX-NIKKOR 60-180mm F4.5-5.6

そんなハトたちだが,集団で飛び立つことももちろんある。公園に別の人がやってきて,その人が餌を撒きはじめたようなときだ。そのときハトの動きはとても速く,また,動く向きは3D空間において全方向に自由自在である。飛翔する鳥の姿をカメラでとらえることは,私にはとても無理であることだけは,はっきりわかった。鳥が飛ぶ姿を撮ることは,ふだんから鳥を観察し撮影しているような人でなければできない,技の賜物なのであろう。

IX-NIKKOR 60-180mm F4.5-5.6の描写は,やや硬いように感じる。生き物のふんわりした質感を表現するのには,必ずしも適していないレンズなのかもしれない。


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