撮影日記


2008年12月01日(月) 天気:晴

西の空から笑顔が見ている

いよいよ12月である。
 11月中は,いかに月末に近づこうとも,いかに寒い日があろうとも,「まだ,秋だ」という印象がある。しかし,12月に一歩足を踏みこんだだけで,「ああ,冬になったねえ」という気になってしまう。
 暦の上では,とっくに「冬」になっているのだが(「立冬」はおおむね11月7日ころ),月めくりカレンダーをめくって最後の1枚になってようやく,「冬」になったような気がしてしまう。
 こんな印象をもっているのは,私だけだろうか?(^_^;

冬は,星空が美しく感じられる。
 これにはいろいろな理由が考えられるが,1つには冬は偏西風が強いことがあげられるだろう。大気中の塵が少なくなっているという可能性だ。また,太平洋側の地方では,冬は晴天の日が多い。さらに,夏にくらべて湿度が低いということも影響しているだろう。
 そういう気象的な要因のほかに,冬の星座には1等星(星のみかけ明るさをあらわすもので,肉眼でようやくみえる星を6等星とし,1等級あがるごとにおよそ2.5倍明るくなるとされる)が多く見えることも重要だろう。
 「冬の1等星」とされる星は,おうし座「アルデバラン」,おおいぬ座「シリウス」,オリオン座「ベテルギウス」「リゲル」,きょしゃ座「カペラ」,こいぬ座「プロキオン」,ふたご座「ポルックス」の7つがある,ほかに,りゅうこつ座「カノープス」も冬の1等星の1つであるが,日本ではかなり条件がよくないと見られない。
 一方,「夏の1等星」とされる星は,こと座「ベガ」,さそり座「アンタレス」,はくちょう座「デネブ」,わし座「アルタイル」の4つである。
 冬の星空の方が1等星が多く,にぎやかだということができる。秋の星空に1等星が少ないから,それはさらに目立つことになる。

冬の星空がにぎやかなのは,1等星が多いというだけではない。もっとも明るく見える星とされているものは,おおいぬ座「シリウス」であるが,これが冬の夜空に燦然と輝き,冬の星空をさらににぎやかにしてくれる。
 だが,これら以外に明るい星があらわれることがある。惑星だ。星座を形作る星は,夜空においてその位置がほとんど変わらない。それらの星に対して,惑星は日々移動しているように見える。
 惑星のなかでも,とくに明るく見えることがあるものは,金星だ。夜明け前の空に見えるときは「明けの明星」,日没後の空に見えるときは「宵の明星」とよばれている。

いま,ちょうど,宵の明星が見えている。
 日没後の西の空に,ひときわ明るく輝く星が見えるはずだ。
 さらにその少し上に,金星ほどではないが明るい星が見えている。それは,やはり惑星の1つである,木星だ。2つの明るい星が見えている西の空は,とてもにぎやかである。

今宵はそこに,もう1つ明るい星が加わった。
 月だ。まだ,細く見える月である。
 これらがちょうど,顔のように見えている。金星と木星が目で,月がにっこり笑った口もとになっている。ちょうど,西の空に大きな笑顔が浮かんでいるように見えている。
 なにかとせわしない12月,ちょっと微笑んで,気持にゆとりをもってみるのもいいだろう。

Nikon D70, AF-S DX Zoom-NIKKOR ED18mm-70mm F3.5-4.5G
Nikon D70, AF-S DX Zoom-NIKKOR ED18mm-70mm F3.5-4.5G

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