撮影日記


2008年03月03日(月) 天気:曇ときどき激しい雨

普通列車で広島から福島へ行く(2)

昨日(2008年3月2日)の日記のつづき。
 タイトルについて,あらためて説明をしておくと,ここでいう福島は,東北地方の福島ではない。大阪市の福島,大阪環状線で,大阪駅の隣の駅である福島のことだ。

広島と大阪の間を普通電車の乗り継ぎで移動するとき,もっともネックになると感じるのが,岡山駅と姫路駅の間である。
 まず,最大の問題は,この区間を直通する電車が少ないこと。おおむね,1時間に1本くらいである。また,運転される電車は,たいてい4両編成であり,決して長いものではない。おもに山の中を走る区間なので,駅間距離が比較的長く,車窓風景の変化についても,おもしろみが少ない。さらに,「青春18きっぷ」をよく利用していた20年くらい前も含めて,この区間はいつも混雑しているという印象がある。途中の駅で乗り降りする人が目立たず,岡山駅と姫路駅の間を乗り通してしまう人が多いように感じている。つまり,始発駅で座りそこねたら,終点までずっと立っていなければならない可能性がある。
 今回も,いかにして,岡山駅から姫路駅までの区間で確実に席を確保するかが問題となった。横川駅から乗った「快速シティライナー 岡山行き」の岡山駅到着は,時刻表によれば14:04である。岡山駅からは14:16発の相生行きがあるのだが,この相生行きは伯備線(倉敷駅で分岐して米子方面へ至る路線)から直通してくる電車で,岡山駅には一足早く,14:01に到着する。岡山駅では,この相生行きに乗るべく,多くの人が並んで待っていることが予想される。その人たちが乗りこんで席が埋まってしまった後に,のこのこ到着しても着席できる可能性は極めて低い。できることなら,この相生行きに,岡山駅よりも手前で乗ってしまいたい。
 時刻表をよく見てみると,「快速シティライナー 岡山行き」の直前に,福山駅始発の「快速サンライナー 岡山行き」がある。サンライナーの福山駅の時刻は13:04,シティライナーの福山駅の時刻は13:06と書いてあるので,ぱっと見た目には,わずか2分の差でサンライナーには乗れないように見える。しかし,参照している小型時刻表(私は「鉄」ではないので,大型時刻表を持ち歩いたりしない)では,福山駅の時刻はあくまでも「発車時刻」である。手前の備後赤坂駅発車時刻と福山駅発車時刻の差をほかの電車とくらべてみると,シティライナーは数分余計にかかっていることがわかる。つまり,シティライナーは,サンライナーの発車時刻より前(といっても1〜2分程度だろう)に福山駅に到着し,先にサンライナーを発車させるようになっているのだ。「鉄」でなくても,時刻表からは,それくらいのことは読み取れるようにならなければいけない。また,このサンライナーは,「土休日運転」ということになっている。こういう電車は,空いていることが多い。実際,サンライナーはガラ空き状態だったので,迷わず乗り換えたのである。

福山駅で乗り換えた「快速サンライナー 岡山行き」は,扉が片側に2か所あり,2人掛け転換シートを備えた117系という電車である。「青春18きっぷ」をよく利用していたころには,大阪周辺の「新快速」として使われていた電車である。もしかすると,このとき乗った電車は,以前に乗ったことがある電車そのものだったかもしれない。ただ,1つ違和感が強かったことは,車掌さんが乗務しないワンマン運転のために,車内の案内がテープによる自動放送になっていたことだ。
 このサンライナーは,倉敷駅に13:36に到着する。ここで,伯備線から直通してくる相生行きに乗り換えることにした。もし,混んでいて座れなくても,岡山駅で多くの乗り降りがあるだろうから,そこで着席できるはずだ。そして,すぐにやってきた伯備線からの相生行きは,十分に空いており,無事に着席できたのである。

相生行きの電車は,115系という電車である。もともとは4人掛けボックスシートと窓を背にして座る2人掛けシートを組み合わせた座席をもっていた電車である。それがここ近年,2人掛け転換シートに取り替えられているのだが,以前であれば4人掛けが2つと2人掛けが2つで計12人が座れた区画に2人掛けシートを5つ配置しているので,そこで着席できる人数が2人減ったことになる。このような区画が4組あり,さらに車両の隅のシートを取り払って広い空間を確保するようになっているので,以前にくらべると着席できる人数は10人以上減っているのは間違いない。
 さて,岡山駅では案の定,ホームに長い列ができており,車内はすぐにいっぱいになった。その後,福山駅で降りてきたシティライナーが到着するが,そこから降りてきた人は,もう座ることができない。ただでも混雑しているうえに,シートの数が減っているのだから,それを不満に感じている人もあるはずだ。このあと相生駅までの区間では,多少の乗り降りはあったものの,やはりずっと乗り通した人がかなりいたように見えた。途中でサンライナーに乗り換えたのは,正解だったのである。

相生駅では,播州赤穂発野洲行きの新快速が待っていた。これは比較的新しい,223系という電車である。中間付近の車両は混んでいたが,1両目はガラ空きである。しかし,加古川駅を発車するころには,立っている人で通路もかなり混雑してきた。このことも,混雑する区間より手前から着席できたことの有利さを示していると言えるだろう。
 結局,横川駅から大阪駅までずっと席を確保することができたのだが,すべて2人掛け転換シートであった。4人掛けボックスシートは,少しずつ過去のものになっていくのであろうか。4人掛けボックスシートでは,混雑しているときには息が詰まるように感じる人もあるかもしれないが,「あー,電車で旅行しているんだな」という雰囲気があって,あれはあれでなかなかいいものである。

画像はいずれも携帯電話機のディジタルカメラ機能による。


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