撮影日記


2008年03月04日(火) 天気:はれ

時代はやっぱりディジタルカメラ?

2008年3月3日の日記のつづき。
 大阪駅に着くと,まずは大阪駅前第1ビルへ向かう。目指すは,アマチュアショップ「マルシンカメラ」である。ここには「おもしろそうなもの」がよくあるので,眺めるだけでも楽しいお店である。眺めるだけの客は,お店にとっては迷惑かもしれない(もしかすると,客だと認識されないかもしれない)が,まったくなにも買ったことがないわけではないので,大目に見ていただきたい♪マルシンカメラは,とくに,ジャンク扱いの商品が豊富なのが楽しい。ジャンク扱いの商品は,「なんらかのトラブルを抱えている」という問題はあるが,価格が安いという魅力がある。しかしそれ以上に,店頭で自由に手にとって見ることができるというのも,そのお店を訪れる楽しさを倍加させてくれるのである。
 この日に眺めた範囲では,いくつかのボックスカメラが気になった。そこには,内部に620フィルム用のスプールが残っているものもあったりしたが,そういう商品はそれが含まれた価格設定がされているように見える。あるカメラのなかに入っていたスプールを抜いて,別のカメラに移すような行為は,やはりルール違反であろう。
 620フィルムは,俗にブローニーフィルムと呼ばれることもある120フィルムと同じ幅の裏紙付きフィルムが,より細いスプール(軸)に強く巻きつけられたものである。巻きが強いために,撮影時の平面性に問題があったり,現像がやりにかったりするなどのデメリットが指摘されるが,フィルムがコンパクトになる分,カメラもコンパクトにできるというメリットもある。どちらかというと,廉価なカメラに採用されることが多かった規格のフィルムである。620フィルムはすでに生産が終了して入手が困難になっているが,120フィルムを620フィルムのスプールに巻きなおして使う人もあるようだ。そういう人たちにとっては,620フィルムのスプールの残っているカメラは,まさに「お宝」となり得ることだろう。

マルシンカメラを出た後は,ヨドバシカメラへ向かう。途中,八百富写真機店の横を通るが,そこはどうせ明日に立ち寄ることになるだろうから,今日は素通りだ。
 ヨドバシカメラでは,印画紙,フィルムやマウント等の消耗品を買っておきたかった。それにしても,フィルムの売り場が小さくなったものだ。そういえば最近,ポラロイド社がフィルムのラインアップを大幅に減らすというニュースを耳にした。ポラロイドフィルムは種類も多く,パッケージも大きいので,意外と広く,売り場の面積を占めている。それが減ると,ますますフィルム売り場がさびしくなるというものだ。同時に,フィルムを使うカメラも,店頭からその姿を消しつつある。フィルムを使うカメラが元気なのは,中古カメラ店だけかもしれない。
 元気に見えるディジタルカメラであるが,少なくともコンパクトディジタルカメラについては,いつまでも安穏としてはいられないと思う。携帯電話機のディジタルカメラ機能が,今後さらに「使える」ものになることが,十分に想像できるからである。たとえば,NTT DoCoMo P905iのディジタルカメラ機能のおもなスペックは,500万画素,オートフォーカス,手ぶれ補正つきである。
 500万という画素数は,1000万画素クラスのコンパクトディジタルカメラも珍しくない現在においては,たいして魅力を感じないかもしれないが,Lサイズくらいのプリントに使うには十分すぎるスペックである。ニコンD1といったかつての高級一眼レフディジタルカメラだって,300万画素級なのだ。撮像素子やレンズの大きさについては,コンパクトディジタルカメラ以上の制約がある携帯電話機だが,それでも小型軽量をセールスポイントにしているコンパクトディジタルカメラとくらべて,著しく不利なものとは言えないだろう。
 もっとも,P905iのディジタルカメラ機能については,重大な欠点がある。それは,「シャッターレリーズボタン半押し」という動作ができないことである。そのため,AFロックができない。もしかしたらできるのかもしれないが,シャッターレリーズボタン半押しによるAFロックほど,使いやすいユーザインタフェースはないと思う。また,シャッターレリーズボタンを押してから,AF等の動作がおこなわれるため,シャッターのタイムラグがとてつもなく大きいものになる。したがって,「動く被写体」の撮影は,偶然に頼るしかないという面がある。
 携帯電話機のディジタルカメラ機能には,「つねに携帯される習慣ができている」ことと「つねに充電されていることが意識されている」ことがある。ふだんから持ち歩いて,画像を記録したいときにさっと気軽に記録できる,ディジタルカメラのそういう特徴を活かせる使い方は,携帯電話のディジタルカメラ機能が理想的な形なのかもしれない。


← 前のページ もくじ 次のページ →