撮影日記


2006年11月16日(木) 天気:晴

「可部線の四季彩」
展示作品02 津浪

2004年5月1日,2日におこなった,「新・広島お気軽写真クラブ 第1回写真展」で展示した写真のうち,「可部線の四季彩」というテーマで展示した写真の2枚目は,この写真である。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 250mm F5, E100G

「津浪」付近の地形はおもしろい。地形図や航空写真で見てみよう。
 (地形図 http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.aspx?id=51326255&slidex=400&slidey=0)
 (航空写真 http://mapbrowse.gsi.go.jp/cgi-bin/airphoto/photo.cgi?index=5132&group=CG20002Y&course=C2A&num=5&size=small)
 地形図を見ると,津浪駅の東側に446.1mのピークをもつ山があることがわかる。これは,津浪丸山とよばれている。名前のとおり,この山を中心に円が描かれているわけだ。この円周の部分はわりと急な傾斜になっているが,集落となっている。航空写真でみれば,黒っぽく見える山林と異なり,白っぽく見えていることがわかるだろう。この隣の航空写真と並べて立体視すれば,この地形がよくわかっておもしろい。
 この地形は,太田川の蛇行の跡であると考えられている。急な屈曲部であったために,流路が短絡したものであろう。また,侵食面の低下(土地の相対的な上昇)もあったのだろう。このようにして取り残された山は,環流丘陵とよばれている。決して,超古代のピラミッドなどではない。

さて,地形図等を見てわかるように,この駅の周辺にも広い平地があるわけではない。川と山の間に,鉄道と国道が並行している状態である。1面1線の小さな無人駅であるが,いつも花壇の手入れがされているなど,きれいに保たれていた。ここでは,アジサイの植えこみのかげから,近づいてくる列車をねらった。アジサイの花は,期待どおりに美しくボケてくれた。Mamiya-sekor 250mm F5の前ボケが実にすなおであることがご理解いただけるものと思う。きれいにボケてくれたのはいいのだが,この花がアジサイであることは,まったくわからなくなってしまった。ま,いいか。


← 前のページ もくじ 次のページ →