撮影日記


2006年10月31日(火) 天気:晴

「常清滝の四季」
展示作品01 新緑の季節

10月21日(土),22日(日)におこなった写真展で展示した写真を1点ずつ,ここでも紹介していこうと思う。

今回,展示した写真は「常清滝の四季」である。広島県三次市(旧・作木村)にある,広島県内で唯一「日本の滝・100選」に選ばれた滝の四季の移り変わりを追ったもので,10点を展示した。
 最初,四季の光景をまんべんなく並べることを考えたが,とくに春をイメージさせる写真があまりないことに気がつく(^_^; その結果,印象の強い,秋と冬の比重が高くなってしまったわけだが,それも常清滝の見せる風景の特徴であると考えることにしたいと思う。
 常清滝は,大きく三段にわかれており,高さはあわせて126mある。これは,全国的に有名な和歌山県の那智滝(約133m)とあまりかわらない。それほど高い滝でありながら,滝より上流部の流域は狭く,平常時の水量はきわめて乏しいものになっている。そのためか,滝壷がほとんど発達していないという特徴をもつ。この滝のある峡谷は狭く,ひいて全景を撮るよりも,接近していろいろな角度から見上げたり,部分ごとに切り取ったりした写真を撮ることになるのである。

さて,今回の展示内容は,秋や冬の光景が主になったとはいうものの,テーマはやはり四季である。そこで,春夏秋冬の順に展示することにした。最初に置いたものは,この写真である。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 250mm F5, E100VS

滝など,水の流れを撮るときにありがちな,たぶん,1秒あるいは1/2秒くらいの露光で撮った常清滝の上段から中段にかけての部分である。展示の際には,「新緑の季節」というタイトルをつけておいたのだが,あとから見直すと,これはやはり中央付近の枝が激しくゆれているのがポイントになるので,「新緑の風」にするべきだったかな,などと思っている。
 さて,この写真,実は新緑ではなく夏というべきである(笑)。撮影時期は7月のものなのだ(笑)。E100VSというフィルムを使ったこと,PLフィルタも併用したこともあって,新緑のやわらかな透き通る雰囲気とはかけはなれたものになっている。とはいえ,この場所でそういう写真を撮ることは私には難しく,これを新緑の季節のイメージであるということで許していただきたいのであった。


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