撮影日記


2006年11月01日(水) 天気:晴

「常清滝の四季」
展示作品02 初夏の飛沫

10月21日(土),22日(日)におこなった,「新・広島お気軽写真クラブ 第3回写真展」で展示した2枚目は,この写真である。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 250mm F5, EPN

1枚目と同様に,滝の上段(1枚目のやや上)を撮ったものである。
 この写真は,1枚目とは対照的な撮り方をした。1つは,露光時間を短くし,水の飛沫(しぶき)1つ1つをも再現することを狙っている。もう1つは,実際の色に忠実な発色をする性格のフィルムを用いて,しぶきの透明感を感じられるようにすることである。実際にプリントでは,ポジフィルムを直接に透過光で観察(鑑賞というよりは,観察という方が適切だと思う)するときほどの美しさが表現されることは容易ではないだろう。ましてや,ここでいう透明感などというものは,プリントではなかなか期待できないかとは思う。そこは,たとえば1枚目のプリントのような対照的なものとの比較で,想像を膨らませていただけると幸いである。

露光時間については,撮影データを細かく記録していないので確実なことはいえないが,おそらく1/30秒ないし1/60秒くらいのはずである。このくらいでは,水を確実に止めることはできないが,飛び散っているという雰囲気をあらわすにはほどよいはずだ。
 使用したフィルムは,Ektachrome Professional(EPN)である。本来,実物に忠実な発色をするために商品撮影用とされているポジフィルムであり,風景撮影に使う人は多くないと聞いている。しかし,私はこのフィルムで風景を撮るのも悪くないと考えている。風景撮影用として人気の高い,彩度が高いフィルムによる絵は,どちらかというと色を塗り重ねたような重い印象を受ける。それに対して,EPNによる絵は,透明感と質感を感じさせてくれるような気がするのである。しぶきとかもやとかの質感をあらわしたいときには,1つの有力な選択肢になると考えている。「EPNは空気が写るフィルム」という大げさな表現をしてみるのも,おもしろいかもしれない(笑)。
 ところで,EPNの感度はISO100である。使いやすい感度であるが,マミヤプレス用レンズには,あまり明るいものがないので,常清滝のような少々薄暗い場所での撮影には,露光時間を短くできないという制約が生じてしまう。これはまあ,しかたのないことか。


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