撮影日記


2006年05月22日(月) 天気:晴

「ムーンライトながら」のきっぷを買う

「できるだけ遅くまで東京にいて,翌日,できるだけ早く広島に戻るには,どうすればよいか?」という問題を考えてみよう。ただし,交通手段として,バスや航空機は選択しない。

まず,「できるだけ早く広島に戻る」という条件を優先してみよう。いちばん確実なのは,その日の最終の「のぞみ」に乗ることである。この場合,東京に滞在できるのは19:50までとなり,広島駅に到着できるのは,23:56である。
 つぎに,「できるだけ遅くまで東京にいる」という条件を優先してみよう。いちばん確実なのは,その日は東京で宿泊し,翌朝一番の「のぞみ」に乗ることである。この場合,東京に滞在できるのは翌朝6:00までとなり,広島駅に到着できるのは翌朝09:52である。

そこで,東京に19:50よりも遅くまで滞在でき,広島に翌朝09:52よりも早く到着できる方法を考えることにする。こういうときの選択肢は,なんと言っても「夜行」列車である。
 いま,東京から西へ行く定期の夜行列車は,4本しかない。1本ずつ条件をみてみよう。
 最初は,東京発熊本/大分行の寝台特急「はやぶさ/富士」である。この列車の広島着は5:21で文句なく早いのだが,東京発は18:03である。最終の「のぞみ」よりも早く出発するわけで,これでは意味がない。
 次は,東京発22:00の出雲市/高松行の寝台特急「サンライズ出雲/サンライズ瀬戸」である。岡山までこれに乗り,岡山から新幹線に乗り換えれば,広島には7:33に到着する。東京での滞在時間も長く,広島にも十分に早く戻ることができる。
 その次は,東京発23:00の大阪行の寝台急行「銀河」である。これに新大阪まで乗って新幹線に乗り換えると,広島には8:52に到着する。これを京都で新幹線に乗り換えるようにすると,広島には8:31に到着できる。この場合,東京での滞在時間がたっぷりあることが好都合だ。
 最後は,東京発23:43の大垣行き快速「ムーンライトながら」である。これに名古屋まで乗って新幹線に乗り換えると,広島には8:31に到着できる。
 滞在時間を第一に考えれば,「ムーンライトながら」は魅力的だ。広島到着時刻を第一に考えれば,「サンライズ出雲/サンライズ瀬戸」が魅力的だ。

次に,最終の「のぞみ」に乗る場合とくらべて,どれだけかかるお金が違うかを考えてみよう。
 まず,東京で宿泊する場合,宿泊費が必要になる。値段にはピンからキリまであるが,7000円もだせば,あまりゾッしないところにあたることは少ないだろう。つまり,7000円が余計に必要になる。
 次に,「サンライズ出雲/サンライズ瀬戸」に乗る場合を考えてみよう。この列車には,さまざまな種類の個室寝台が用意されており,それぞれ少しずつ料金が違う。さらに,「指定席」扱いの車輌も用意されており,その車輌なら寝台料金が必要ないため,かなり安く乗ることができる。岡山から広島までの新幹線特急料金(ひかり)は2920円であり,東京から岡山までの「サンライズ出雲/サンライズ瀬戸」の「指定席」の特急料金は3660円である。さらにこれは,新幹線との乗り継ぎ割り引きが効くので,あわせて4750円となり,東京から広島までの「のぞみ」の特急料金7210円よりもかなり安いものになる。
 次に,「ムーンライトながら」に乗る場合を考えてみよう。この列車は「全車指定席」扱いなので,東京から名古屋までの指定席料金510円が必要になる。名古屋から広島までの「のぞみ」の特急料金は5640円なので,あわせて6150円となり,東京から広島までの「のぞみ」の特急料金よりも少し安くなる。
 このように,料金および広島到着時刻を重視すると「サンライズ出雲/サンライズ瀬戸」の利用がもっとも魅力的であるが,今回は,東京での滞在時間を重視して「ムーンライトながら」に乗ることにしようと思う。

「ムーンライトながら」は,東京を出発する時点では「全車指定席」であるが,一部の車輌は,小田原から自由席扱いとなる。そのため「東京から名古屋まで」の指定席が売り切れていても,「東京から小田原まで」の指定席なら売れ残っていることがある。これは,鉄道でよく旅行をする人たちのあいだでは有名なことのようだ。今回,すなおに「東京から名古屋まで」の指定席が確保できたので,「東京から小田原まで」のワザを実験することはできなかった。


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