撮影日記


2005年07月21日(木) 天気:曇ときどき晴

カメラと電池の関係(2)

突然ですが,問題です。

以下の4つのカメラは,いずれも,フラッシュ内蔵のEEカメラで,ピント調整は手動式となっているものである。このうち,「コニカC35EF」「ヤシカ35MF」「キヤノンA35デートルクス」には,ある共通した特徴があるが,「マミヤ135EF」には,その特徴はみられない。その特徴とは,なにか?

Konica, Yashica, Canon, Mamiya

先に答を書いておく。

「露出計の電源とフラッシュの電源が別になっている」ことである。

カメラは,元来,精密機械である。その動力は,おもにバネによってもたらされ,ギアによって伝達されていた。そこに,電力は必要なかったのである。
 やがて,電気露出計が登場した。適切な露光量を知ることができる,この素晴らしい発明には,大きな問題点があった。それは,電力が必要なことである。このときから,カメラには,なんらかの電源が必要になったのである。
 初期の電気露出計は,セレン光電池を利用したものが多い。これは,光があたると電力が発生する部品を使っている。光の量を感じとるセンサと電源が共通のものだったので,このときは,とくに電源が必要だという意識までは,必要なかった。
 やがて,より高性能の半導体を利用したセンサが登場すると,電源が必要になった。電気露出計が要求する電力は,あまり大きなものではない。そこで,水銀電池など,種種の小型のボタン電池が使われるようになった。

そして,カメラにフラッシュが内蔵されるようになった。フラッシュは,大きな電力を必要とするので,容量が大きくかつ安価で入手しやすい,単3乾電池が電源として採用されるようになる。
 初期のフラッシュ内蔵カメラは,それ以前のボタン電池を利用していたEEカメラをベースに作られたと思われる。露出計用のボタン電池と,フラッシュ用の単3乾電池の両方が必要なカメラは,その名残である。

やがて,露出計の電源も,内蔵フラッシュの電源も,単3乾電池から共通してまかなわれるようになっていった。


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