撮影日記


2004年03月20日(土・祝) 天気:はれ

古いバス

横川は日本のバス発祥の地

日本ではじめてのバスは,横川と可部の間を結んでいたという。この当時のバスを,残っていた写真などを参考に,できるだけ忠実に復元する事業がすすめられている。まもなく,横川駅周辺の整備の完成にあわせて,公開されるようだ。
 このバスは,その図などを見た限り,運転台は吹きさらしで,客室は二重屋根になっているようだ。おそらくは木造車体だったのだろう。外見的にも,一見してわかるような「レトロ」なもののようだ。
 残念ながら,その実物は,その一部分すら残っていないらしい。
 自動車は,鉄道車両にくらべると,使われる期間が短いように思われる。自動車は,市場に出回り,個人が購入して使用するような性格のものが多いためであろうか。鉄道車両は,個人で使用するために購入されるケースはほとんどなかったであろう。

各地にころがる廃バス

乗用車ではなく,バスのようなものはどうだろうか。これは,鉄道車両と同様に,公共交通機関として使われるために購入されるケースが多いであろう。しかし,鉄道用車両にくらべると,その使われる期間は短いように思われる。鉄道用車両であれば,30年や40年前の車両は,あたりまえのように使われている。
 鉄道用車両は,使われなくなり「廃車」となると,解体処分されたり,部品を流用して新しい車両に生まれ変わるようである。一方,「廃車」になったバスは,道路沿いの空き地などでみかけることも少なくないだろう。このような廃車になったバスは,バスの事業者によって遺棄されたものではなく,倉庫代わりなどとして引き取られたものであることが多いようだ。結果として,遺棄されたものもあるのかもしれないが。そういえば,鉄道用車両としては,貨車がそのような扱いを受けているようである。
 ところで,それらのバス車体には,一見して「レトロ」な印象を受けるものもあるだろう。とくに,屋根などが,現在のバスにくらべると,かなり丸みを帯びていると感じられるのではないだろうか。

ボンネットバス

古いタイプのバスには,いわゆる「ボンネットバス」がある。セダン型乗用車のように,運転席よりも前にボンネットがあり,ここに前輪やエンジンなどの機器が詰めこまれているタイプのバスを指す。最近のバスは,エンジンが最後部にあり,運転席は車体の一番前,前輪よりも前にあって,箱型の車体となっている(車体中央部床下にエンジンのあるタイプのものが主流だったこともあるらしい)。「ボンネットバス」は,全長が長い割には客室が狭く,運転も難しかったと言われている。しかし,各地で,観光の「名物」の1つとして,整備され走りつづけているものがあるようだ。
 今日は,お彼岸参りで福山方面に出かけたわけだが,「みろくの里」方面に続く道を走っていると,前方に妙に丸みを帯びた車体のバスが止まっていた。乗降が終わって発車するとき,車体の前の方に「方向指示器」の「腕」がぴょこっと飛び出したのが見えた。これはもしかするとかなり古い型のバスではないだろうか?と思い,とくに急ぐ用事もなかったので,しばらくついて行ってみた(笑)。カーブが続く道で,バスの横がちらりと見えた。それは,「ボンネットバス」だったのである。
 結局,「みろくの里」までついて行ってしまったが,思いがけず,おもしろいものが見られたことに満足している。


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