撮影日記


2004年05月03日(月) 天気:雨

オモカメとカメオモ

コレクションとは

世の中には,コレクションという趣味がある。コレクションの対象は,実にさまざまである。というか,コレクションの対象にならないモノなど存在しないかもしれない。その対象としてポピュラーなものには,たとえば切手があげられるだろう。そして一口に「切手をコレクションする」と言っても,記念切手を集める人,古い切手を集める人,外国の切手を集める人など,いろいろな集め方があり,それぞれに蘊蓄がともなってくるものだろう。
 コレクションの対象として,カメラを選ぶ人も少なくないだろう。切手と違って単価が大きくなりがちだから,収集者の年齢層は,切手よりも高めかもしれない。カメラのコレクションにも,さまざまな対象がある。高級舶来カメラを集めて愛でる人もあれば,ゴミ同然に見捨てられたカメラを修理して楽しむ人もある。
 コレクションには,蘊蓄が伴わなければならない。単に数を集めても,それはただの物体がそこに多数並んでいるだけで,コレクションとはいえないだろう。1つ1つの対象物が,それぞれどういうものであるか,これを主観が過激に混ざってもよいから,自分の言葉で語られるようにしなければ,それはコレクションにはならないのである。

オモカメの魅力

「オモカメ」という言葉でカテゴライズされるカメラがある。たとえば,レンズ付きフィルムのような,非常に簡単な機構をもった製品が該当する。その中には,「おもちゃである」と明言しているようなものもある。具体的には,ダイソーで売られていた「おもちゃのカメラくん」が該当する。
 一時期流行していた,110カートリッジや126カートリッジのフィルムを使うカメラの中には,「オモカメ」と同じくらい簡素なものもあったりするが,それらのすべてが「オモカメ」としてカテゴライズされるわけでもないようである。つまりは,まじめに「カメラ」としてつくられていると感じられるものは,「オモカメ」とは思われないということだろう。
 そのように考えてみると,「オモカメ」とは,「カメラとして,ふざけた要素があるもの」ということになるのかもしれない。たとえば,右のカメラは,一見,一眼レフのように見えるが,実は素通しファインダーをもち,シャッターは単速,ピントは固定のものである。「オモカメ」であると感じられる製品である。このような「オモカメ」をおもに収集しているコレクターもあるようだ。ところで,これらのカメラは,メーカーなどが不明であることも多い。こういう「謎」めいたところが,コレクションの対象として,魅力的なのかもしれない。
 ほかに,キャラクターがあしらわれているような製品も,「オモカメ」として扱われることが多いようだ。

カメオモの世界は?

今日,ある雑貨屋を覗いてみたら,携帯電話のようなものがたくさんはいっている箱があった。よく見ると,それはライターであった。もっと見てみると,携帯電話型以外のものもいろいろある。そんな中に,カメラの形をしているものもあった。まるで,オリンパス「ミュー」のような姿である(ちゃっかりと「OLYMBUS」と書いてあるし・・・・)。
 このように,カメラを形どったおもちゃもいろいろと存在する。これを「カメオモ」と呼んでみよう。「オモカメ」同様に「カメオモ」も,集めてみると,おもしろいかもしれない。
 世の中には,カメラのコレクターを毛嫌いする人がある。とくに,写真を趣味にしていると称する人が,そのような傾向を示す。
 あたりまえだ。
 カメラのコレクターは,カメラが趣味である。写真を趣味にする人は,カメラそのものを趣味の対象にはしない。趣味が違うのだから,相手の価値観を理解できるはずがない。しかし,写真趣味であれ,カメラ趣味であれ,「蘊蓄」を自分の言葉で,相手の理解できるように語ることができるなら,あるいは,それらの趣味の魅力を,相手の理解できるように語ることができるなら,毛嫌いされるほどのことは,ないはずである。カメラをコレクションするなら,雑誌やカタログ,そしてこのような「おもちゃ」も集めてみると,自分の語る言葉が深まるかもしれない。


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