撮影日記


1998年01月24日(土) 天気:大雪

水銀電池アダプタ

昨夜からハラハラ降っていた雪も,午後には一時小康状態になった。それが夕方からまた激しくなり,ついにかなりの積雪が見られるようになった。
 水銀電池は1995年末で製造が停止になった。水銀を使うことで,どうしても環境に芳しくない影響を与えるからだという。
 最近のカメラの電源は,リチウム電池が主流であるようだが,かつては水銀電池が主流であった。そのころのカメラは,電気を使うといっても露出計くらいであることがほとんどだ。小さな電力を長期間安定して供給できる小型の電池として,水銀電池が主流だったのだ。
 幸か不幸か,うちで水銀電池を使うカメラは1台だけである。Nikomat FTがそうだ。これはH-D (MR9)を1つ使う。たまたま私は,1995年秋にこの電池を2個買った。1つはすぐに使うため。もう1つは予備として。水銀電池はすでに大きなカメラ店か電気店でなければ売っていない状況であったからだ。
 その少し後,私は,梅から生まれた梅太郎から1つの相談を受けた。彼の愛用しているミノックスが突然動かなくなったという。私は「電池が切れただけじゃないの?」そう答えた。その通りだった。しかし,問題はそこにある。ミノックス用の水銀電池が製造停止になったというのだ。そのとき私は,ミノックスはよほど特殊な規格の電池を使うのだろうと思った。なぜならその少し前に,私はH-Dを2個も買っていたからである。
 最近になって実態がわかった。私が最後にH-Dを買ってまもなく,水銀電池は全面的に製造停止になったのである。手元に残っているH-Dのパッケージを見ると,ちゃんとこう書いてある。


地球環境保全のため この電池は'95年末を
もちまして生産中止させて頂きますので
ご理解の程よろしくお願い致します。

困るのは,古いカメラを愛用している人たちだろう。もっともメカニカルシャッター機がほとんどだろうから,スタジオデラックスなどの単体露出計を使うことで撮影は可能であろうが,非常に残念なことである。
 しかし,それに応えるように,酸化銀電池SR44を水銀電池の代用として使うためのアダプタが発売されている。このような製品を発売するのは,やっぱりケンコーかな?と思ってウラを見たら,古いカメラの修理で有名な「関東カメラサービス」が製造元になっていた。
 ただ,このアダプタだが,¥2,900もするのだ。さらに,SR44は店によっては¥600〜¥700くらいする。手元にあるH-Dのパッケージには¥110というシールが残っているのだから,コスト的に二の足を踏む人もあるだろう。


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