撮影日記


2024年10月20日(日) 天気:曇ときどき晴

まだ咲いているヒガンバナ

ようやく朝晩はいくらかひんやりとしたものを感じるようになったものの,日中はまだまだ暑く感じる日が続く。この夏は,最高気温が連日のように35℃を記録した,まさに猛暑であった。残暑の季節になっても,35℃近くの日が続く。いつまで,いつになく厳しい残暑を感じるのかと思っているうちに,もう10月20日である。そして,近所の公園ではまだ,ヒガンバナが咲いている。
 この秋は,ヒガンバナの咲きはじめが例年より遅いものに感じられたが,咲き終わるのもいつになく遅いものになっている。10月も後半になろうというのに,いまだに,ところどころ花を楽しめる状態で群生しているのである。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 28-100mm F3.5-5.6G

もちろん,とうに咲き終わっている個体も多数ある。そこで今日は,まず,枯れた花を中心に撮ってみようと考えた。ちょうどうまいぐあいに,ときおり日ざしのあたる場所に,枯れたヒガンバナが群れている。
 まだ満開の花があるせいか,とくに名所でもないこんな場所でもカメラをもった人をちらほら見かける。そして,1人の男性が,その満開の花のところでずっと撮っている。ところがそのカメラのレンズが向いている先に,私が撮ろうとしている,枯れたヒガンバナがある。その人が花を見ている角度などから察すると,あくまでもその満開の花を撮っているようである。花にかなり近づいているので,たぶん接写的に撮っているのだろうとは思う。とはいえ,三脚を使わずに手持ちで撮っているので,花以外の背景も,視野にはいっている可能性がある。そもそも,他人がカメラのレンズを向けている先に,わざわざ陣取るというのは,あまりに配慮が足りないというものであろう。気がつかずに視野にはいってしまったのであればしかたないとしても,わかっていてレンズを向けている先にはいっていくのは,いじわる以外のなにものでもない。かといって,「そこに陣取ったら,邪魔になりますか?」といちいち尋ねるのも,無粋というものだと思うところだ。その群生は小規模なものなので,そのうちどこかに移動してくれるだろう。ほかに手ごろな群生がないか,さがしてみることにした。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 28-100mm F3.5-5.6G

このように,いまがちょうど満開という状態の花もあれば,とうに枯れた花も存在する。それらがほぼ隣接している箇所もある。このような状況だから,つぎは満開の状態の花と枯れた花とをあわせて撮ってみようと考えた。まずはすなおに,枯れた花を手前に主題的におきながら,背景を赤くぼかしてみる。

Kodak DCS Pro 14n, TAMRON SP 90mm F2.5(52B)

TAMRON SP 90mm F2.5(52B)は古いレンズであるが,ピントのあったところはシャープである一方,背景がとにかくとろけるようにボケてくれる。個人的になじんできたせいもあるかもしれないが,この感覚が好みである。今日は,Kodak DCS Pro 14nを使っている。このカメラでは,このような古い電子接点がないタイプのレンズを装着したときには露出計がはたらかない。しかし,今日のような明るい曇空でほぼ安定している状況であれば,いちど絞りとシャッター速度の値を決めてしまえば,ほぼそのままで撮り続けられる。絞りとシャッター速度の値を決めるには,まず,露出計が動作するレンズを使って,絞りとシャッター速度の値をまず確認する。その値にしたがって,古いレンズで撮影する。撮影した結果を,カメラのモニタで確認するが,モニタの像そのものはあまりあてにならなかったりもするので,ヒストグラムを表示させ,それでほどよい露出になっていることを確認すればよいのである。

Kodak DCS Pro 14n, TAMRON SP 90mm F2.5(52B)

枯れた花の前後に,満開の花を配置して,枯れた花の姿を赤くシルエット状にしてしまうのも,おもしろい。
 やや暗い場所にあるものを撮るときには,1段程度,絞りを開いたりシャッター速度を遅くする。逆に,たまに日ざしが出てきたときは,1段階程度,絞ったりシャッター速度を速めればよいだけである。そのとき,撮影した画像を表示させてヒストグラムを確認すれば確実になる。

今年のヒガンバナは,開花の時期が全体に遅かったことに加えて,例年よりも長い期間,楽しむことができる状態にあった。さすがにあと数日でここのヒガンバナはすべて花が終わった状態になるだろう。
 さて,来年のヒガンバナの開花時期は,どうなるだろうか。朝晩,いくぶんか冷えていると感じる日があってから,ようやく開花がはじまるようであるから,来年の夏はどれくらい暑くなるか,その暑さがいつまで続くのか,そういうところも気になってくるものである。


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