撮影日記


2024年10月14日(月) 天気:曇ときどき晴

海を見たくなった日

広島に対して多くの人がもっているイメージというのは,瀬戸内海に面していて1年を通して温暖である,そういうものではないだろうか。しかし実際にそのような気候なのは,沿岸部や島嶼部など一部である。広島県の大部分は,山地である。とくに広島市は,太田川の河口に生じた三角州の部分を除けば,中国山地のおくのほうに広がっていて,海は遠いのである。
 だから,ときどき,海を見たくなる。そんなときは,元宇品公園あたりがお手頃である。元宇品公園は,広島港(宇品港)のすぐ東にある小さな山というか,島である。実際には,伸びてきた砂州によってほぼつながった陸繋島になっているが,現在はそこが切り開かれて橋がかけられている。先端のほうに駐車スペースがあるが,人が多く訪れる時期だと止められないことも多い。今日はタイミングよく1台分のスペースがあって駐車できたが,そのあとに到着した何台ものクルマは止められず,引き返しているようだった。

この島は,瀬戸内海国立公園に編入されていることもあって,原生林に近い状態の森に覆われている。また,現役の宇品灯台がある。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 28-100mm F3.5-5.6G

灯台のところから,海岸へ降りていく道がある。急な道だが,距離はたいしたことはない。海岸には砂浜になっている箇所のほかに,磯もある。磯の潮だまりを覗くと,貝類やヤドカリ類などが動いているのを見ることもできる。
 元宇品は,広島港のすぐそばにあるため,港を出入りするものを中心に,多くの船舶を見ることができる。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 70-300mm F4-5.6D

多くは目の前に見える島を結ぶ,小型のフェリーや高速船である。そのほかに,四国へ向かう少し大きめのフェリーや,貨物船,小型の漁船なども姿をあらわす。今日はすっきりと晴れた天気ではないが,風は弱く穏やかな日である。したがって,海の波も基本的には静かなものであるが,近くを船舶が通ると少しばかり大きな波がやってくる。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 28-100mm F3.5-5.6G

望遠レンズでそれらの船舶を眺めたり,撮ってみたりしているうちに,海面がキラキラと輝きはじめていることに気がつく。時刻を確認すると,日没までまだ時間はかなりあるが,それでも相当な時間をここで過ごしていたようだ。


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