撮影日記


2024年09月08日(日) 天気:晴

夕方の光線

予定通りに「文学フリマ大阪12」へ行ってきた。そして,「青春18きっぷ」で,広島へ戻ることにする。
 大阪駅から広島駅まで,在来線の普通(および快速)列車だけで行く場合,多くの場合,姫路,岡山,糸崎駅で乗り継ぎが必要になる。とくに,大阪駅から岡山駅まで,あるいは岡山駅から広島駅までを直通する普通列車は1本もない。ところが,姫路駅から糸崎駅(あるいは三原駅)までを直通する列車は,わずかだが存在する。具体的には,姫路駅発7:05と18:12の2本である(2024年9月現在)。岡山駅で乗り換える必要のない列車は日中にも何本かあるが,それらは姫路駅より先の相生駅が始発となり,それにちょうどあう時間帯には大阪駅から相生駅まで直通する新快速がないため,全体の乗り換えの回数を減らすことにはつながらない。

そういう列車にあわせると,乗り継ぎが姫路駅と糸崎駅だけで済むことになり,楽である。そのかわり,姫路駅から糸崎駅までは3時間ほどかかり,この区間はわりあいに混雑するので,姫路駅で乗り継ぐときにはなにがなんでも座席を確保しなければならない。大阪駅から姫路駅までの列車は12両くらいの長い編成であるのに対し,姫路駅から先は4両程度の短い編成になるので,座席の取り合いが熾烈なものになる可能性が高いのである。
 姫路駅で確実に座るためには,早めに到着して並んでおくようにすればよい。姫路駅を18:12に発車する三原行きの列車に乗るためには,大阪駅を17:00に発車する新快速に乗っても間に合うのだが,座席を確保するために大阪駅を16:15に発車する新快速に乗るようにした。姫路駅での待ち時間が1時間近くあるのだが,この時間を利用してお弁当を購入することもできる。そして,姫路駅で時間があったら,「まねき」の黄色い駅そばを食べなければならないのである。

この駅そばのお出汁は,いわゆる和風の味である。しかし,そこに入っている麺は,よくある黒いお蕎麦ではなく,黄色い中華麺なのである。なぜだか知らないが,姫路駅の「駅そば」は,ずっと以前から,こうなっている(*1)。山陽本線下り方面のホームでは,岡山方面行きの4両編成くらいの列車が停車する位置は,ちょうどこのお店のあたりであることも,都合がよい。
 お弁当などを購入し(これはもっと遅くなってから食べる),駅そばを楽しんでも,まだ時間には余裕がある。このころに,ちょうど西日が強くあたりはじめる時間帯になる。

FUJI FinePix F710

夕方の低い光線は,なんでもない場所を突然,はっとするような光景に変えてしまうことがある。

FUJI FinePix F710

これは昨日の大阪市内であるが,高速道路の高架下の建物に,高架の橋脚の隙間からちょうど西日があたっている状況である。このまわりは橋脚の影であり,スポットライトのようにここにだけ日光があたっている。そして,入り口の上のガラスに書かれた文字が,奥の壁にも映っている。夕日の当たる角度は季節によって変化するから,つぎの機会にこういう瞬間に出会えるとはかぎらない。だから,日常の記録にはスマートフォンのカメラ機能でじゅうぶんだと思いながらも,やはりコンパクトデジタルカメラくらいはつねに携帯しておこうという気になるものである。また,夜の散歩時にも,ふと撮りたくなる場面に出会えることもある。

FUJI FinePix F710

さて,姫路駅では列の先頭に並べたので,座席の確保には問題ない。到着した列車は姫路駅始発のものであるが,すぐに満席となり,座れずにいる人も多くいる状態で発車する。列車が発車するとほどなく日は沈んでしまい,列車も山間部に入っていくので車窓は暗いものになる。兵庫県から岡山県に入るころになっても,まだ座れずにいる人がいる。こういう状況だから,姫路駅で座席を確保するように努力することは,必須のことなのである。
 岡山駅では多くの人が下車するが,それと同じくらいの人が乗車してくるので,車内はやはり混雑したままである。それでも,福山駅あたりで多くの人が下車してしまう。乗車した列車は三原駅まで行くが,乗り継ぐ広島駅行きの列車は,1つ手前の糸崎駅始発となるので,糸崎駅で下車する。広島駅行きの列車は6両編成で,すっかり少なくなった乗客の多くが乗り継いでも,がら空きな状態である。
 大阪駅から広島駅まで,在来線の普通列車で移動するときには,姫路駅での乗り継ぎがなによりものポイントなのである。

*1 えきそば (まねき食品株式会社)
https://www.maneki-co.com/products/ekisoba/


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