撮影日記


2024年03月29日(金) 天気:晴

「カメラ買物情報」を読み返す

かつて,「3大カメラ誌」とよばれる月刊誌があった。1926年から2020年まで発行された「アサヒカメラ」,1954年から1985年まで発行された「カメラ毎日」,そして1950年に発行され2021年に休刊となった「日本カメラ」のことをさす。もちろん,それ以外にもカメラや写真を扱う雑誌は数多く存在してきた。それらのうちで,総合的な内容を扱い,近年まで長く続いていたということで,これら3誌の存在が大きかったということなのだろう。また,これらの発行元からは,ほかにも増刊号や年刊誌,ムックなどもいろいろと発行されてきた。
 そのうち,「日本カメラ」を発行していた日本カメラ社が発行していた「カメラ年鑑」は,日本国内で流通していたカメラやレンズ,アクセサリ類の動向を追うのに便利である。日本カメラ「カメラ年鑑」と,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」があれば,有名どころの製品がいつごろ登場し,いつごろ消えていったかをおおよそつかむことができる。これらは,できるだけ各年度のものをそろえるようにしておきたい。入手もしやすく,もっとも基本となる資料の1つといえる。

最近,毎日新聞社が発行する「カメラ買物情報」という年刊のムックがあることを知った。もしかしたら以前から知っていたのかもしれないが,とくにその存在を意識していなかったようである。これは,日本国内で流通していたカメラなどの製品を網羅的にとりあげたものではなく,年ごとに組まれる「特集」がおもな内容になっている。たとえば,1998年版(1998年1月15日発行)では「これが安心露出の一眼レフ」「ユニーク&ハイCPレンズ」,1999年版(1999年1月20日発行)では「デジタルカメラの味わい」が,大きな特集として表紙に示されている。

このような内容のものであるため,製品の動向などを体系的に1つの流れとしてつかむには向いていないが,それぞれの年にどのようなことが注目されたかという,大きな動きをつかむのには向いているのではないか,ということに気がついたのである。発行されていたのは,1976年ころから2001年ころにかけてのようである。発行されていた期間は短いが,小型一眼レフカメラがAE化,AF化,そしてデジタル化していく過程を追うにはちょうどよい。


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