撮影日記


2023年05月28日(日) 天気:晴

「サンニッパ」ではなくサンの「ニーニッパ」

かつて,300mm F2.8というスペックをもったレンズのことを,「サンニッパ」とよぶことが流行していた。このクラスのレンズは,描写が優れていることで評価されていたが,高価であり,大きく重い。多くの人が,一度はあこがれたこともあるのではないだろうか。その後,400mm F2.8レンズを「ヨンニッパ」とよぶことや,800mm F5.6レンズを「ハチゴロー」とよぶようなケースも見られたが,いずれも「サンニッパ」というよびかたを耳にしたときほどの強い印象を受けることはなかった。さすがに,400mm以上の超望遠レンズになると,使う人,使う被写体がかなり限定されてしまい,自分に関係することとしてとらえられなかったのだろうと思う。
 さらに最近では70-200mm F2.8ズームレンズを「ナナニッパ」とよぶ人もあるようだが,そのスペックをうまく表現しているように思えないので,使いたくないよびかたである。このようなスペックのレンズに対しては,かつて仲間内では「ナナマルニーニッパ」のようによんでいたケースもあったが,無理に略称というか愛称をつける必要もないわけで,定着することなくじきに使わなくなった。前世紀であればともかく,いまはそれなりに高価であるがありふれたスペックのレンズであり,決して特別な存在ではない。
 ともあれ,300mm F2.8レンズを「サンニッパ」,400mm F2.8レンズを「ヨンニッパ」とよぶならば,200mm F2.8レンズは「ニーニッパ」ということになる。

交換レンズ専業メーカーとして知られていた「サン」から発売された,200mm F2.8レンズである。「サン」の「ニーニッパ」であり,「サンニッパ」ではない。
 発売時期を確認するために,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」を参照した。1978年版では掲載が確認できず,1979年版から掲載が見られる。しかしそこに掲載されている製品写真は,ピントリングのゴムのデザインが異なっている。1981年版から,掲載された製品写真のゴムのデザインが同じものになっているようなので,このレンズは1981年ごろ以降のものだと思われる。
 ACアダプタが必要になったので,リサイクルショップのジャンクコーナーにさがしにいった。そのときに見つけたレンズである。少しカビが生じているが,550円だったら救出してもいいだろう。とりあえず試し撮りもしてみたところ,じゅうぶんな写りを示してくれた。ただ,ファインダーを覗いたときに,「これは,きれいに写りそうだ」という印象にならないレンズである。

Kodak DCS Pro 14n, SUN 200mm F2.8(開放)

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