撮影日記


2023年05月03日(水) 天気:晴

レトロな喫茶店での聞き込みは空振り

「Okuhara Camera」という銘板のついた組立暗箱と,大阪市住吉区我孫子東5丁目に存在していた「奥原写真機製作所」とを結びつける,なにか証拠がほしい。住所と製品の画像が載った広告があれば話は早いのだが,そういうものを見かけないのですっきりしないのである。
 たとえば,「奥原写真機製作所」のご近所に古くから住んでいたような人が,操業当時の工場を見ていないだろうか。そこに「Okuhara Camera」の銘板と同じロゴがあったかどうか,目撃していないだろうか。そういう話を聞けないかと期待して,「奥原写真機製作所」があった場所の少し北,距離はおよそ150m離れた場所になるが,古くから営業している「やま」という喫茶店を訪れてみたのは,連休前のことである(2023年4月23日の日記を参照)。残念ながら,日曜日の営業は午前中だけとのことで,そのときにはなにも話を聞くことができなかった。そこで今日は,朝のうちに「やま」を訪れてみることにする。朝なら「モーニングセット」が用意されているだろうという期待もある。

訪れたのは,10時前のこと。先客が2名ほどあったが,じゅうぶんに空いている。店内は現代的ではないがこざっぱりしており,また,無理にレトロ感を演出しているような面もなく,快適に感じる。「モーニングセット」は,コーヒー,厚いトースト,ゆでたまごで350円。のんびりいただいて,先客が帰ったところで,店主に話を聞いてみることにした。
 まず,わたしは古いカメラに興味があって,趣味で調べている者であることを名乗る。つぎに,このお店が古くからここで営業しているのかどうかを確認する。その結果,1966(昭和41)年ころからここで営業されていることがわかった。そこで,この近くに「奥原」というカメラの工場があったかどうかを聞くが,記憶にはないとのことだ。カメラを見せながら,存在していた場所は現在の市営住宅の集会所になっているあたりだと伝えたところ,そのあたりは「(低層の)市営住宅が並んでいた」場所で,たしかに「製材所のような小屋があった」ことは覚えているようだったが,基本的に付き合いがなく,関心もなかったようである。住宅密集地での150mというのは,案外と遠いのかもしれない。


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