撮影日記


2022年05月28日(土) 天気:晴

関式サロン露出計IIA型の発売時期

国立国会図書館では,2022年5月19日から「個人向けデジタル化資料送信サービス」の提供を開始した。それまでは,国立国会図書館の収蔵資料でデジタル化されたもののうち,公開されていて誰でも閲覧できるようになっていた資料は,著作権などの権利処理が済んでいるものだけに限られていた。「インターネット公開」されていない資料のうち「絶版などの理由で入手困難な資料」というものについては,「図書館向けデジタル化資料送信サービス」に参加している図書館で閲覧することができていたが,そのような資料が個人向けにも提供されるようになったのである。ただし,利用するためには,利用者登録が必要である。今年のゴールデンウィーク前に郵送で申請書を送ったところ,ちょうど連休明けに登録証を受け取ることができた。いまではオンラインでも申請ができ,5開館日ほどで登録されるとのことである(*1)。

「個人向けデジタル化資料送信サービス」を利用することで,これまで広島市中央図書館に行かなければ閲覧できなかった資料を,自宅からでも閲覧できるようになった。思い立ったときにいつでも閲覧できるし,閲覧時間を気にする必要もないのは,おおいに助かる。そこで,時間をみつけては少しずつ,アルスが発行していた雑誌「カメラ」に「関式サロン露出計」の広告が掲載されているかどうかを確認していった。その結果,第二次世界大戦後に丸型から角型へフルモデルチェンジされた時期が,1950年10月ころであることを確認することができた。1950(昭和25)年10月15日発行「別冊CAMERA 秋から冬への写真術」に掲載されていた「関式サロン露出計」の広告では,製品写真がUA型のものになっており,「新発売!この新型」という文言が添えられていた。以前に入手していた「アサヒカメラ」1950(昭和25)年8月号の広告では,製品写真はまだ丸型のものだったので(2021年10月31日の日記を参照),このあと9月ないし10月ころにモデルチェンジされたと考えるのがよさそうである。なお,残念ながら「アサヒカメラ」の閲覧は「国立国会図書館限定」となっていて,「個人向けデジタル化資料送信サービス」の対象になっていない。権利処理が済んでいないことにくわえて,まだ「入手困難」と認定されていないということらしい。

*1 個人向けデジタル化資料送信サービス (国立国会図書館)
https://www.ndl.go.jp/jp/use/digital_transmission/individuals_index.html


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