撮影日記


2022年05月07日(土) 天気:晴

印画紙がとらえたイチゴの旬

 スーパーマーケットの店頭で,イチゴを見かけることが増える時期になった。クリスマスケーキなどの需要があって,11月頃からハウス栽培のイチゴの出荷がはじまることもあり,イチゴは早春の果物だというイメージをもつ人もあるかもしれないが,本来は初夏の果物である。ちょうどいまごろは,本来の旬というわけだ。植木鉢のイチゴの実が,濃い赤に色づきはじめている。

これまで,フィルムのかわりにRCタイプの2号印画紙を使って,四つ切1/2判(6インチ×10インチ判)の撮影をおこなってきた。富士フイルムが「フジブロWP FM2」の発売を終了して(2018年4月4日の日記を参照),あらたに同じ印画紙を入手できなくなった。買い置きしていた印画紙を,先日の屯鶴峯での撮影(2022年5月4日の日記を参照)で使い切ったので,ひとます四つ切1/2判での撮影はお休みとする。こんどは,以前に2箱ほど譲っていただいた,カビネ判の「フジブロWP FM2」印画紙を使った撮影を楽しむことにする。
 カビネ判での撮影できる組立暗箱は,何台か入手している。まずはそのうちの,テールボード型という暗箱を使うことにする。これは,リンホフタイプのレンズボードが使えるようになっていない。もっぱらこのカメラで使うためのレンズとして,Symmar 210mm F5.6を入手した(2020年7月13日の日記を参照)

四つ切1/2判で撮影するためには,暗室内で四つ切(12インチ×10インチ)の印画紙を,半分に切る必要がある。撮り枠に入れるためには,さらに数mm程度,切り落とす必要がある。セーフライトの下で作業ができるとはいえ,面倒なことにはかわりない。その点,カビネ判での撮影であれば,印画紙をそのまま撮り枠におさめればよく,撮影の準備が楽である。

印画紙は,赤い色への感度が著しく低い。まっ赤に熟れた実と,まだ青い実との違いがはっきりと見える結果になった。

Symmar 210mm F5.6, FUJIBRO WP FM2

古いSymmarでは,「ジンマーの前玉外し」という技が使えることが知られている。レンズの前玉を外して後玉だけの状態にすると,焦点距離の長い(そのかわりF値が大きく暗い)レンズとして使用できるというものだ。このレンズの場合は,焦点距離が370mmで,F12となる。しかし,蛇腹を伸ばせる量には限度があり,このカメラでは370mmレンズは使えないのであった。


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