撮影日記


2021年09月19日(日) 天気:晴

お彼岸の時期に咲いてこそのヒガンバナ

朝早くに出かけて,お彼岸参りを済ませてきた。秋の「彼岸」とは,秋分の日を中心にその前後3日間を含めた計7日間をさす。今年の秋分の日は9月23日なので,明日9月20日からが彼岸となる。だから,今日は,お彼岸参りにはまだ早い。しかし,近い場所ではないので,翌日も休日のほうが都合がよい。ちょっと早いが,今日,お参りを済ましておくことにしたのである。

早くに出かけたので,帰ってきてからもまだ,時間はたっぷりある。ちょうど,近所のヒガンバナが見ごろ,撮りごろといった状況だ。昨年,ここでヒガンバナを撮ったのは9月26日だった(2020年9月26日の日記を参照)から,今年のヒガンバナは昨年より1週間は早く開花したことになる。日記をつけておくと,こういう比較ができるので,なにかと好都合である。咲き終わった花がなく,まだつぼみもあるような状況だが,なんとなく昨年よりも花の密度が低いような気がする。

Kodak DCS Pro 14n, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

Kodak DCS Pro 14nで撮ると,白いものがすっきり写るような気がする。それでもある程度は,調整を加える。背景がより暗くなるように締め,夕方に近づきやや赤みのある日光のあたる白い花がすっきりした白になるようにして,ごちゃごちゃ重なったなかでもしっかりと浮かび上がるようにしてみた。

撮る場所を変えても,赤い花が都合よく群れているところが見つからない。日光のあたりかたが都合よくなかったり,ほかの草などに埋もれて撮りにくくなっていたり,あまり花が密集していなかったりする。全体に昨年よりも,花の密度が低いような気がするのは気のせいなのかどうか,そこは定量的に記録をしていないから判断できない。
 そこで,群れたヒガンバナではなく,その花の1つに着目してみることにした。じゅうぶんに開いたヒガンバナは,その長い蕊を四方八方に伸ばし,大きな空間を占めることになる。そうすると,どこにピントをあわせるべきか迷うことになる。また,絞りを開くと花に対してピントのあう範囲をじゅうぶんに確保できない。安易に絞ってしまうと,背景もふくめて余計なものが目立つようになる。結局,光のあたりぐあいも都合がよかった,開きかけの部分で構図をつくることにした。

Kodak DCS 460, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

Kodak DCS 460で撮ると,赤がすぐにまっ赤になってしまう。だから,不自然に感じない範囲で,色温度,色偏差で,GとYをできるだけ強調する。そういうやっかいなカメラであるが,その操作が楽しいし,そうして得られた色の雰囲気は,ほかのカメラではかえって出しにくいような気がする。欠点と言えば欠点であるが,こういうのは特徴としてとらえるほうが,楽しい。

結局,1時間半くらい,計100コマくらい撮ったが,それなりに満足できたのはこの2カットくらいであった。そういう意味では少々ものたりないものの,やはりお彼岸の時期に咲いてくれてこそのヒガンバナである。


← 前のページ もくじ 次のページ →