撮影日記


2019年12月31日(火) 天気:晴のち雨 夜には曇

2019年の撮りおさめ

おもに大阪府と和歌山県を結ぶ私鉄,南海電鉄には,主となる路線が2つある。
 1つは,大阪市内中心部と和歌山市内中心部とを結ぶ,南海線である。もう1つは,大阪市内中心部と高野山とを結ぶ,高野線である。
 どちらの路線も列車は,大阪市内中心部にある「なんば」駅を発着する。そして,「岸里玉出」駅までは,並走している。しかし,「なんば」駅から「岸里玉出」駅までは,南海線でもあり高野線でもあるというわけではない。「なんば」駅から「岸里玉出」駅を経て,「和歌山市」駅に至る路線が南海線である。
 高野線の列車は,「なんば」駅から「岸里玉出」駅までは南海線を走り(実際にはこの区間は複々線になっており,線路は独立している),「岸里玉出」駅からは高野線を走って「極楽橋」駅方面に向かうことになる。しかし,高野線の起点は,「岸里玉出」駅ではない。現在は「岸里玉出」駅から支線のように伸びている路線の先にある「汐見橋」駅こそが,高野線の起点である。
 南海「汐見橋」駅は,阪神「桜川」駅に隣接している。駅名がまったく異なるのに,入り口はまさに隣接している。

南海「汐見橋」駅を発着する列車は,終日ほぼ30分おきで,ごく少ない。やや小型の2両編成の列車が,「汐見橋」駅と「岸里玉出」駅との間を,行ったり来たりしている。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

沿線には府立高等学校や宅地などもあるが,工場や倉庫のようなものが目立つところである。そのせいか年末の日の午前中は,人の気配がごく少ない。到着した列車から降りてきた乗客は数人程度で,私が乗り込んだ,折り返しの列車にも,乗客はごく少なかった。
 ただ,終着の「岸里玉出」駅には,カメラを構えた人の姿が何人かあった。

南海「汐見橋」駅から少し西のほうへ行けば,京セラドーム大阪がある。それが見える橋の手前に,石碑が建てられている。

Kodak DCS Pro 14n, YONGNUO YN 40mm F2.8N

嘉永7年11月4日(グレゴリオ暦1854年12月24日)に発生した,「安政南海地震」とよばれる地震にともなう津波の被害が大きかったことを後世に伝えるために,その翌年に建立されたものである(*1)。

Kodak DCS Pro 14n, Ai NIKKOR 50mm F1.4

津波の被害を伝える碑としては,最近では東北地方のものがよく話題になる(*2)。しかし,大阪市内にもこのような碑が存在することは,もっと知られてもよいはずだ。とくに,上町台地の西側では,津波の影響を受けやすいのである。
 国土地理院では,このような自然災害の伝承に関する碑の情報を,「自然災害伝承碑」として2019年6月19日より地理院地図に反映させている(*3)。大阪市内にあるこの碑も,もちろん掲載されている(*4)。気になる人は,地理院地図を参照してみるとよい。

ともあれこれを,今年の撮りおさめとしよう。

Kodak DCS 460, Ai NIKKOR 50mm F1.4

*1 「安政大津波」の碑 (浪速区)
https://www.city.osaka.lg.jp/naniwa/page/0000000848.html

*2 大津浪記念碑 (地理院地図)
https://maps.gsi.go.jp/

*3 自然災害伝承碑 (国土地理院)
>国土地理院が全国の自治体と連携して整備を進めている自然災害伝承碑に関する情報は、令和元年6月19日より国土地理院のウェブ地図「地理院地図」から掲載を開始しました。
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/denshouhi.html

*4 大地震両川口津浪記 (地理院地図)
https://maps.gsi.go.jp/


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