撮影日記


2019年10月09日(水) 天気:晴

TAMRONならば,古くても相性ばっちり!?

FUJIX DS-505AはニコンFマウントのレンズを使える,デジタル一眼レフカメラである。撮像素子のサイズは2/3型(6.6mm×8.6mm)という小さなものだが,撮像素子の前に画像を縮小するレンズ(縮小光学系)が配置されているため,交換レンズをライカ判のカメラと同じ感覚で使うことができる。ただし,装着するレンズによっては,縮小光学系によって,四隅がケラレるなどの影響を受けることがある。
 ファインダーへ像を導くミラーは,縮小光学系より前に配置されているので,ケラレなどの影響をファインダーで確認することはできない。実際に,撮影して確かめるしかない。さらに,FUJIX DS-505Aは,撮影した画像を確認するための液晶モニタを内蔵していない。撮影した画像をテレビ画面に出力する機能を備えているので,液晶ポケットテレビなどを接続すれば撮影したその場で画像を確認できる。しかし,その動作はたいへん遅く,撮影するたびに画像を確認するというのも,あまり現実的ではない。また,撮影時のシステムが,おおがかりなことになってしまう。どうせなら,撮影後にパソコンに画像を転送し,そこできちんと検証するほうがよい。

ともあれ,手元にあるレンズについて順次,FUJIX DS-505Aとの相性を確認しているのである(2019年9月28日の日記を参照)。
 取扱説明書ではどのようなレンズで問題が生じるとされているかという記述や,ここまで実際にいろいろと撮ってたしかめてきたことをふまえれば,ケラレなどの問題が生じやすいレンズは,比較的廉価なモデルである「あまり明るくない広角レンズ」や,性能に余裕がなさそうに思われる「高倍率ズームレンズ」などが該当するように感じている。

Zoom-NIKKOR Auto 43-86mm F3.5は,ライカ判一眼レフカメラ用のズームレンズとしては,ごく初期に発売されたものの1つである。画質の面ではあまり高い評価を得ていないようだが,標準レンズのかわりに使えるコンパクトなズームレンズがはじめて市販された,しかも安価である,という点で高く評価されている傾向がある(2015年3月25日の日記を参照)。このことから考えると,FUJIX DS-505Aとの相性は,あまりよくないのではないかと想像できる。あまり明るくないレンズであること,性能にあまり余裕がなさそうに思われるからだ。

FUJIX DS-505A, Zoom-NIKKOR Auto 43-86mm F3.5

予想通り,43mm側では絞らなくても四隅がおおいにケラレている。

FUJIX DS-505A, Zoom-NIKKOR Auto 43-86mm F3.5

それに対して86mm側ではケラレが見られず,実用的な描写を示している。

TAISEI-ROKUNAR 55-90mm F4も,ライカ判一眼レフカメラ用のズームレンズとしてはごく初期に発売されたものの1つである。TAISEI-ROKUNARというのは見慣れない銘であるが,タムロンが輸出するときに使っていた銘の1つらしい(2016年5月21日の日記を参照)。

タムロンからPZ-55という型番で発売されたものと,同じもののようである(*1)。

このレンズはあまり流通していないのだろうか,よいともよくないとも評判を聞くことがない。それでも,ごく初期のズームレンズなのだから,あまり期待はしないことにしようと考えた。

FUJIX DS-505A, TAISEI-ROKUNAR 55-90mm F4

こちらは予想に反して,55mm側でもケラレが見られない。

FUJIX DS-505A, TAISEI-ROKUNAR 55-90mm F4

90mm側ではもちろん,ケラレなどの問題は見られない。
 このような結果になったのは,Zoom-NIKKOR Auto 43-86mm F3.5にくらべてコンパクトでないことが考えられる。開放F値こそF4で暗めであるが,前玉も後玉もじゅうぶんに大きく,無理にコンパクトにつくられていないように見えることが,よい方向に作用しているのだろうか。また,短焦点側の焦点距離が55mmであり,無理に広角域をカバーしていないことも,理由になるだろう。

このように,FUJIX DS-505Aとレンズの相性については,1つ1つ実際に撮ってたしかめるしかないのである。

*1 デジタル博物館 旧タイプ MFカメラ用レンズ (Tマウント〜アダプトマチック〜アダプトールシリーズ) (株式会社タムロン)
http://www.tamron.co.jp/data/old-lens/olm55_90.htm


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